白馬連峰遭難者慰霊祭80人参加

八方の諏訪神社

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月3日(月)


 北アルプス白馬連峰で遭難した人の慰霊祭が一日、白馬村八方の細野諏訪神社で開かれた=写真。一月に杓子岳登山で亡くなった仏教大(京都市)の学生三人や、八月の白馬大雪渓土砂崩落で亡くなった大阪府の男性ら計五人が、境内の慰霊塔に新たにまつられた。

 細野諏訪神社は大正時代から登山者が安全祈願を行う場所となっており、慰霊塔は一九六五年、氏子が鳥居の建て替えに合わせて建立。六六年から毎年秋に慰霊祭を開いている。今回まつったのは昨年九月から今年八月までの遭難者で、これで計三百十二人がまつられた。

 慰霊祭には、北ア北部遭対協や山小屋関係者、遭難者の遺族・知人ら約八十人が出席。福島信行村長は「遭難を減らすため、山の厳しさを伝えるとともに、安全対策に取り組みたい」と述べた。八九年末に知人を亡くしたという杉村静子さん=東京都新宿区=は「大切な人を亡くした思いを共有できてよかった」と話していた。