少し早め秋の足音 北穂高小屋

信濃毎日新聞 掲載

平成17年8月30日(火)


 北アルプス北穂高岳(標高三、一〇六b)の頂上直下にある北穂高小屋(小山義秀さん経営)で二十九日朝、今シーズン初めて氷が張った。例年より少し早めといい、北アの山々では秋の足音が急速に近づいてきた。

 小山さんによると、同日午前五時ごろ、飲料水をためておくため小屋の前に置いてある水槽のふたの上に、厚さ一・五_はどの氷が張っていた。気温は二度で、小屋のひさしからは約五aの氷柱が垂れ下がった。出発前の登山者たちが写真を撮ったり、手で触れてみたりしていた。日の出から一時間余りたった午前六時半ごろには解けた。

 二十六日未明に千葉県に上陸した台風11号が過ぎ去って以降、北アの高山地域では、ウラジロナナカマドの実が赤く色づき始めるなど、秋の気配が広がりっつある。

写真:北アルプス稜線(りょうせん)の北穂高小屋で、例年より少し早い初氷(後方右は常念岳)=29日午前5時25分、小山義秀さん嬢影