夏の北ア常駐隊解隊

遭難は8件増加

死亡も3人多く

信濃毎日新聞 掲載

平成17年8月26日(金)


 夏山の北アルプスでパトロールや遭難救助を担った県山岳遭難防止対策協会の常駐隊の解隊式が二十五日、大町署で開かれ、遭難の発生状況が報告された。七月一日−八月二十四日の北アの遭難の発生件数は、前年(同−八月二十五日)より八件増の五十一件、死亡者は三人多い九人だった。

 常駈隊は七月十二日−八月二十五日、南部(槍・穂高連峰)に二十八人、北部(後立山連峰)に十四人の隊員を配置。地域別の遭難の発生状況は、南部が二十件、北部が二十二件、その他の地域が九件だった。

 死亡の原因では、ストックを突き間違えたり、ぬれた岩で滑って転倒し滑落するなどの原因が目立ったという。十一日に北ア白馬大雪渓で起きた土砂崩落では一人が亡くなった。

 解隊式では、北部の吉田末則隊長が「大雪渓の土砂崩落で救助、情報収集に当たった経験を今後に生かしたい」と振り返った。

写真:大町署で行われた北アルプスの夏山常駐隊の解隊式