白馬大雪渓の土砂崩落登山者捜索中断へ

「埋まった可能性低い」

信濃毎日新聞 掲載

平成17年8月18日(木)

 北アルプス白馬大雪渓で起きた土砂崩落で、大町署は十七日の捜索を終えた時点で、新たな情報が出るまで十八日以降は行方不明者の捜索を中断すると決めた。登山者が埋まった可能性は極めて低いと判断した。

 同署によると、十七日に発生直前の現場写真を入手。写真には、死傷した男性二人と赤いザックカバーの登山者の計三人が写っていた。負傷した男性に確認したところ、赤いザックカバーの登山者とみられる人は発生後、現場の上部まで登っていたという。

 同署や北ア北部遭対協などは「赤いヤッケを着た登山者が埋まった」との情報に基づき、発生した十一日から捜索。同署と県警は、山小屋の宿泊者名簿や家族からの問い合わせで、該当する可能性がある全登山者の無事を確認した。捜索でも行方不明者の手掛かりが見つからないことから、総合的に判断した。

 また、国交省松本砂防事務所と北安曇郡白馬村は十七日、監視カメラを現場の約二`下にある白馬尻に設置した。十九日から、村役場などに映像を配信し、登山者への情報提供に生かす方針だ。