携帯トイレ使用PR

し尿処理飯縄山で取り組み
長野市が専用の小屋

信濃毎日新聞 掲載

平成17年8月10日(水)

 登山者のし尿対策に取り組んでいる長野市は、市民の協力を得て、飯縄山(一九一七b)の山頂付近に、携帯トイレを使用するための木製小屋を設置した。市民ボランティアや市職員ら約二十人が七日に板などの資材を持ち運んだ。市観光課は「実際にトイレを見てもらうことが、携帯トイレを普及させるための一番のPRになる」と期待を込めている。

 七日朝、参加者は資材をリュックサックに結び付けたり、手で持ったりして、一ノ鳥居の駐車場を出発。強い日差しの中、汗をかきながら約三時間かけて山頂まで運び上げた。引き続き市内の建設会社の従業員が組み立て、杉の間伐材約九十枚を金具で固定し、床面積二・三平方b、高さ二・一bの小屋が完成した。

 小屋の中には、ビニール製の袋状になっている携帯トイレを使うための便座や、予備の携帯トイレを保管する木箱を取り付け、使用後の携帯トイレを捨てる回収ボックスの場所を記した地図も張った。回収ボックスは、一ノ鳥居の駐車場や戸隠スキー場駐車ゲレンデなど四カ所に置いた。

 ボランティアで参加した長野勤労者山の会会長の関昌憲さん(58)=長野市川中島町=は「地元の山は自分たちで守っていく必要がある。今日だけでなく継続的に取り組んでいきたい」と話していた。

写真:小屋内に、使用後の携帯トイレの捨て場所を記した地図を張る市職員ら