登山道整備協力呼び掛け

各山小屋に募金箱

信濃毎日新聞 掲載

平成17年8月3日(水)

 北アルプス山小屋友交会(穂苅康治会長)と北アルプス北部山小屋組合(松沢貞一組合長)は今年、登山道の整備・修理費の一部を登山者にも負担してもらおうと、各山小屋に募金箱を置いている。資金確保と合わせ、維持管理について登山者に当事者意識を持ってもらう狙いもある。

 登山道は管理者が明確ではなく、整備や修理は費用を含め大部分を山小屋が担っている。「年間数百万円の修理費を出している山小屋もある」(穂苅会長)など、財源を含めた登山道管理の在り方が課題だ。このため、県は本年度、補助事業「信州の登山道リフレッシュ事業」で百万円を支出。県の提案を受けて、両会が登山者にも任意の「協力金」を求める方式を試行することになった。

 募金箱は県産カラマツの間伐材で作り、約五十カ所の山小屋に設置。穂高連峰を望む涸沢ヒュツテで、募金に協力した静岡県焼津市の加藤俊郎さん(60)は「登山道がきれいに整備されていて登りやすかった。山登りを楽しむ利用者が資金面で協力するのはいいことだと思う」と話していた。

 両会は、協力金と県の補助金で必要な資材を購入。実際の作業は山小屋関係者が行う。山小屋友好会は本年度、涸沢や槍ヶ岳に通じる横尾−徳沢間の橋など二カ所の改修を予定している。穂苅会長は「募金活動を通じ、登山者に登山道の維持管理への理解が広まってはしい」と話している。

写真:登山道整備のための募金に応じる登山者=涸沢ヒユツテ

関連:登山道整備補修登山者から協力金について