白馬尻小屋が新築オープン

北ア2年前に被災

信濃毎日新聞 掲載

平成17年7月26日(火)

 北アルプス白馬連峰の白馬大雪渓の下部にある白馬尻小屋(一、五六〇b)が今シーズン、移転新築した=写真。〇三年六月に起きた大雪渓の水害で被災し、これまでよりも山側に約三十b移動した。

 白馬尻小屋は、毎年六月中旬に木材を組み立て、十月に解体する。水害では、大雨で雪渓の下を流れる沢が増水してあふれ、水に雪や土砂が混ざって、白馬尻小屋を直撃。けが人は出なかったが、小屋のホールや調理場などが壊れた。

 新しい小屋は、従来の建物と同じ約二百二十平方b。売店や飲食店も同じように設けた。これまでの建物があった敷地約四百平方bは広場とし、その沢沿いには栗の間伐材で作ったテーブルとベンチを八組置き、雄大な大雪渓や白馬連峰の眺望を楽しめる。

 大雪渓は白馬岳への登山道とともに、トレッキングの目的地としても人気だ。白馬尻小屋を経営する白馬館(白馬村)は「登山の中継点とともに、トレッキング客がゆっくり大自然を楽しめる拠点にしていきたい」と話している。