乗り鞍の県道マイカー乗り入れ禁止

地元が規制緩和要望
観光客減少で県や市に

信濃毎日新聞 掲載

平成17年7月20日(水)

 松本市アルプス観光協会(旧安曇村観光協会)は十九日、乗鞍岳山頂近くに通じる県道乗鞍岳線のマイカー規制を緩和するよう求める要望書を県松本地方事務所や市など関係七機関に提出した。二〇〇三年に規制が始まってから、減少が続いている乗鞍高原の観光客を呼び戻したい考えだ。

 七機関を含む三十二団体で構成する「乗鞍岳自動車利用適正化協議会」(会長・加藤忠義安曇地域協議会長)は、同県道を通行できる七月から十月の間も、マイカーの乗り入れを全面禁止。岐阜県側も〇三年から同様の規制を実施している。

 長野県側の地元団体が規制緩和を求めたのは初めて。八月の盆期間を除く平日にマイカーの乗り入れを認めるとともに、通行開始時刻を午前六時から同三時半に早めるよう求めた。

 市役所を訪れた上松正文・同観光協会長は「観光業者は厳しい状況にある。ぜひ見直してほしい」と強調。高橋慈夫政策部長は「姉妹都市の岐阜県高山市とも相談したい」と答えた。

 松本市安曇支所によると、乗鞍高原の延べ宿泊者数は〇三年が約六十七万二千九百人、〇四年は約五十九万三千五百人。規制前の〇二年と比べ、それぞれ19、4%、28、9%減った。高山市丹生川支所によると、岐阜県側の県道乗鞍公園線の昨年の利用者は約十九万人で、規制前の半分程度。同県側は来年度も規制を継続する方針を七月末にも決める見通し。長野県側の協議会が対応をいつ決めるかは未定。