川上に屋内人工壁

岩根山荘9日から一般開放

信濃毎日新聞 掲載

平成17年7月7日(木)

 たくさんのロッククライミング愛好者が訪れる川上村川端下の岩根山荘に、高さ8bの人工壁を備えた屋内練習場が完成した。山荘周辺は、「クライマーの天国」と呼ばれるほど岩場に恵まれた場所。雨の日には登撃(とうはん)を我慢せざるを得ない愛好者からの強い要望に、経営者の上田弘さん(45)が応えた。9日から一般開放する。

 山荘は、ロッククライミングのゲレンデとして親しまれている小川山(二、四一八b)や廻(まわ)り目平の岩場がすぐ近く。人工壁はガイドとして何度も山荘を訪れている登山家の鈴木昇己さん(52)=東京都国分寺市=が「遠くから時間とお金をかけて来ても、雨が降れば登れない。屋内でも練習できる場所があれば」と提案したのがきっかけだったという。

 上田さんは五月から山荘裏で、幅九b、奥行き十二bのプレハブ倉庫と、人工壁の建設に着手。倉庫内の人工壁は、コンクリートパネルに砂を混ぜた塗料を吹き付けてあり、自然の岩に近い肌触りにした。ボルトで留められた「ホールド」と呼ばれる疑似石の位置や向きが変えられ、何度登っても飽きないように工夫している。

 ロープを使う「トップロープ」 「リードクライミング」用が高さ八b。ロープを使わない「ボルダリング」用が四bで、床には転落時のけがを防ぐマットを敷いた。壁の途中には段差や、手前の方に緩い傾斜を着け難易度の高い部分もあり、初心者からプロまで楽しめる。

 「夏場は村の観光客の半分をクライマーが占める。これからは、地元の人たちにもロッククライミングの楽しさを知ってもらえるようなイベントも開いていきたい」と上田さん。利用料は一日千五百円(宿泊客は千円)。

問い合わせは岩根山荘(80267・99・2200)へ。

写真:岩根山荘に完成した高さ8bの人工壁