浅間山多数の噴石

 

 

規制緩和で安全点検

 

信濃毎日新聞 掲載

平成17年6月23日(木)

 気象庁が火山活動レベルを引き下げた浅間山で二十二日、小諸市などが立ち入り禁止を解除した登山道や避難施設の安全点検をした。昨年九月一日の中規模噴火以来、入れなかった黒斑山(二、四〇四b)には、前日の入山規制緩和を受け、小雨の中を山頂に向かう県外の登山客の姿もあった。

 浅間山西側の外輪山尾根から、賽の河原、火山館と回るコースでは、火口に近い蛇骨岳付近で大きな噴石が多数見られ、硫黄臭も漂ったが、避難壕(ごう)や登山道に異常はなかった。市職員らは、立ち入り禁止の看板を付け替える作業などをして夏の入り込みに備えた。

入山規制の浅間山 噴火の跡刻む登山道

 噴石の直撃で折れた立ち木、漂う硫黄臭、散乱する噴石…。浅間山の登山規制一部解除に伴い、小諸市などが二十二日に行った登山道点検で、危険個所は見られなかったが、一帯には昨年九月の中規模噴火の痕跡が多数刻まれていた。

 点検は午前六時から、車坂峠から黒斑山、仙人岳と外輪山を巡り、賽(さい)の河原に至る「黒斑コース」と、浅間山荘から火山館、賽の河原に至る「火山館コース」で実施。小雨の中、それぞれ約四時間かけ、避難壕(ごう)や木道に損傷がないか確認し、浮き石を撤去しながら登った。

 黒斑コースの蛇骨岳付近は、風下に火山ガスと硫黄臭が漂い、雨が目に入ると激しく痛み、のどにも違和感が。火山館コースでは、火口から約二`離れた道沿いに、直径五十aほどの噴石に直撃されて根元から折れた樹木も。直径一bを超える「クレーター」、焦げ跡の残る木も目立った。

 ただ、「思ったより登山道は荒れていない」と市職員。市は二十六日まで、火山館と車坂峠の登山口で入山者にパンフレットを配り、安全を呼び掛ける。

写真:車坂山峠の登山道入り口から、立ち入り禁止の看板を撤去する」、小諸市職員ら