入山規制緩和観光に地元期待

 

 

浅間山活動度2に引き下げ
「爆発的噴火可能性低い」

 

信濃毎日新聞 掲載

平成17年6月22日(水)

 山噴火予知連絡会(藤井敏嗣会長)は二十一日の定例会で、浅間山について「小規模噴火は引き続き発生する可能性があるが、当面、昨年十一月まで見られたような爆発的噴火が発生する可能性は低い」との見解をまとめた。これを受け、気象庁は浅間山の火山活動度を、昨年九月一日の噴火後続いていたレベル3(山頂火口で小中規模噴火が発生する可能性)からレベル2(やや活発)に引き下げた。

 予知連によると、噴火は昨年十二月九日が最後で、昨年十月以降新たな溶岩の出現もない。噴火直前に見られた山腹の傾斜計の変化も今年二月二十二日が最後という。火山性地震の減少や、火山ガス放出量の減少も活動低下の根拠とした。

 ただ、火山性徴動や火山ガス放出量は、昨年九月以前よりは「依然やや多い状態」で火口内は高温状態が続いている。周辺部に設置した衛星利用測位システム(GPS)の観測によると地殻の膨張現象も継続しており、「深部へのマグマ注入が続いていると考えられ、注意深く監視する必要がある」とした。

入山規制緩和観光に地元期待

 気象庁が二十一日、浅間山の火山活動度レベルを2に引き下げたのに伴い、小諸市と北佐久郡軽井沢町はただちに入山規制の緩和を決めた。昨年九月一日の中規模噴火から九カ月余り、観光関係者に「夏のシーズンに好材料」と安堵(あんど)の声が広がった。

 小諸市は、一の鳥居から火山館、賽(さい)の河原に至る登山道と、この途中から黒斑山に至る登山道の「火山館コース」、車坂峠から黒斑山、蛇骨岳を経て賽の河原で合流する「黒斑コース」を解禁した。登山口の車坂峠にある高峰高原ホテルには午後六時前、市から連絡が入った。従業員は「シーズン前に黒斑山まで登れるようになって良かった」と話し、登山口の規制看板を、これまでの「火口から四`」から半経二`付近の「賽の河原まで」に替えた。

 市は二十二日、小諸署や小諸消防署と、登山道の安全を確認し標識を整備。都内の主要駅での「規制緩和キャンペーン」も予定している。

 北佐久郡軽井沢町は、案内看板を付け替え登山道を点検し、二十三日に峰の茶屋からの「小浅間山コース」、追分からの「石尊山コース」を解禁する。佐藤雅義町長は「危険度が薄くなってほっとしている」と話した。

 県は噴火以来設けていた連終本部を解散した。