安全の備え 雷警報機も 槍ヶ岳

 

 

信濃毎日新聞 掲載

平成17年6月11日(土)

 槍ヶ岳の登山道や山荘で、夏山シーズン前の安全対策を進めています。穂先に通じる登山道の浮き石処理は例年の作業で、既に何度も行っていますが、今年は朝晩に氷点下まで冷え込む日が多く、凍結と溶解の繰り返しにより、いつもの年より落石や浮き石が目立ちます。

 五月中に激しい落雷が多かったため、穂先への登山道は岩が崩れたり、鎖の一部が溶けたりしています。その形からか、槍ヶ岳は雷雲が発生すると、頂上に落ちることが時々あります。

 雷雲を感知して知らせてくれる警報器も、山荘の屋根に設置しました。危険が増すと食堂で滑り出しますから、穂先へ登るのは少し待ちましょう。登っている人へも拡声器で呼び掛けます。慌てずに行動してください。

 (槍ヶ岳山荘・坂本龍志、山口信吉)

写真:山荘の屋根に増え付けた雷警報器.鳴り出したら、登山者はまず安全確保を