絶滅危ぐ種「マルミノウルシ」40年ぶり千曲市で発見

信濃毎日新聞 掲載

平成17年5月11日(水)

 千曲市は10日、環境省や県が絶滅の恐れがある植物(絶滅危ぐI類)に指定している多年草マルミノウルシ(トウダイグサ科)が、市内の山林で見つかったと発表した。全国で推定1000個体ほどしかないといい、県環境保全研究所(長野市)によると県内での確認は40年ぶり。市は、盗掘防止のため発見場所を明らかにしていない。今後、保護策を検討する。

 マルミノウルシは草丈40−50センチで、4−5月に花を咲かせる。出始めの葉は赤い。ノウルシに似ているが、受粉後に実となる子房の表面にいぼ状の突起のないのが違いという。

 環境省によると、山間部の開けた草地に育つが、森林伐採や土地造成により減少した。現在自生が確認されているのは青森や群馬など7都道県。県環境保全研究所によると、県内では1965年に東筑摩郡麻績村で確認されて以来だ。

 4月、環境基本計画の年度内策定を目指している市の植生調査で見つかった。15平方メートルほどの場所に12株の自生を確認。市によると、その後の調査で別に2カ所で確認できたという。

 県環境保全研究所自然環境チームリーダーの大塚孝一さんは「40年ぶりの上、麻績村以外という点でも意義深い発見」と話している。

写真:千曲市内の山林で見つかった絶滅危ぐ種マルミノウルシ
※自然保護委員会では先月初旬より「マルミノウルシ」の探索を行ってきましたが、いまだ見つかっていませんでした。