浅間山・にぎわう山開き

火口周辺続く登山規制
中規模噴火から8ヶ月

信濃毎日新聞 掲載

平成17年5月9日(月)

 昨年九月に二十一年ぶりに中規模噴火した浅間山(2568 b)の山開きが八日、小諸市高峰の浅間山荘登山口で行われた噴火の影響で現在、火口から半径四`以内は登山規制で立ち入り禁止だが、県内外の登山愛好家や市関係者ら約四百六十人が参加。安全を祈願した後、新緑の山道を踏みしめて記念登山を楽しんだ。

 気象庁発表の浅間山の火山活動レベルは、山頂火口で小−中規模噴火の可能性がある「レベル3」。活発な活動が続いているとはいえ、市内では降灰などは観測されておらず、荒天に恵まれた

この日の高峰高原一帯は絶好の登山日和となった。

 登山口広場では、アルプホルンや太鼓演奏で祝典の雰囲気を盛り上げ た後、白装束の行者がたき火の前でほら貝を吹き、山の平穏と登山者の安全を祈願。芹沢勤市長ら関係者が、しめ縄を「テープカット」したのを合図に、登山者は思い思いのペースで山道を登った。

 今回は、山開きを主催する小諸市観光協会が「浅間山を知ろう」をテーマに掲げ親子散策を呼び掛けたこともあり、子どもや孫を連れた参加者の姿も見られた。

 孫の男児(5)と参加した佐久市内の女性(68)は「昨年は火口から半径ニ`まで登れたため、今の規制は残念。孫と一緒においしい空気と自然を楽しみたい」。花岡道別・市観光協会長は「今年は、山の楽しさを知ってもらおうと市内小中学校の児童、生徒に登山を呼び掛」けた。浅間山登山を子どもたちに自然の良さを伝えるきっかけにしたい」と話した。

写真:新緑の山道を踏み締める浅間山開きの参加者たち