噴火影響?苦戦の誘客 小諸・高峰高原

立ち入り規制緩和
地元関係者は期待

信濃毎日新聞 掲載

平成17年5月4日(水)

 大型連休を迎えた小諸市高峰高原が観光客の減少に悩んでいる。地元観光業者は、昨年9月に起きた浅間山の中規模噴火の影響が尾を引いているとみており、書き入れ時にもかかわらず宿泊客が前年の5―7割にとどまる施設もある。

 浅間山の西方5キロにある高峰高原。絶好のハイキング日和となった2日午後も山道に停まる車は数台。例年は満室になる一帯の宿泊施設も「空室が目立つ」という。

 客足低迷の原因とみられるのが、昨年9月に21年ぶりに起きた浅間山の中規模噴火だ。断続的な噴火の影響で火口から半径4キロが立ち入り禁止に。高峰高原から浅間山外輪山の黒斑山には入山できず、「登山客の減少がそのまま宿泊客の低迷に結び付いている」(観光業者)という。

 8日は市観光協会が主催する恒例の浅間山開きが行われるが、この規制のため、例年のように浅間山荘から湯の平口までの登山はない。小中学生を対象にした浅間山を知るための座談会も初めて開くが、山歩きは浅間山荘の登山口からすぐの一の鳥居までだ。協会は「日曜日だが、どれだけお客さんが来てくれるだろうか」と心配する。

 地元が望むのは、立ち入り規制の早急な緩和だ。浅間山は現在、1日50―80回程度の火山性地震を観測。噴火は昨年12月10日以降起きていないが、気象庁発表の火山活動レベルは、山頂火口で小―中規模噴火の発生の可能性がある「レベル3」のままだ。

 一連の噴火では、市内で火山れきはもとより降灰も観測されず、直接の影響はなかったため、「現在の火山活動なら危険はない。4キロ規制が3キロになれば、お客さんにアピールできる」「もっと柔軟に規制範囲を変えてほしい」との声は強い。

写真:例年に比べて観光客の車がまばらな高峰高原の駐車場