北ア・白馬山荘きょうオープン

100周年の思い込め
夏に記念イベント

信濃毎日新聞 掲載

平成17年4月29日(金)

 北アルプス白馬岳(二、九三二b)の山頂直下にある白馬(はくば)山荘が二十九日、今シーズンの営業を始める。

 料金を取って宿泊させる営業小屋としては国内の先駆けで、一九〇五(明治三十八)年に開設され、今年で百周年。経営会社の白馬館(北安曇郡白馬村)は、記念イベントを計画している。

 白馬山荘は、地形図を製作していた陸軍参謀本部陸地測量部が白馬岳頂上に一等三角点を設置した際に設けた岩室を、白馬館の創業者、松沢貞逸(一八八九−一九二六年)が譲り受け、営業を始めた。一九五九(昭和三十四)年には全焼火災に見舞われたが三年後に再建。国内で初めてヘリコプターによる物資輸送を導入したり、展望レストランを設けるなど山小屋経営をリードしてきた。

 記念イベントは、主に山荘や白馬岳を会場に開催。夏山シーズンの七、八月には、山荘の若林邦彦支配人が案内する御来光見学ツアーやプロ山岳写真家六人による写真教室を予定している。白馬館の松沢貞一社長と白馬岳を登る百周年記念登山を八月三日に行うほか、八月二十、二十一日には山にちなんだ歌の歌声喫茶も開く。

 四月二十八日には、白馬山荘に十九年勤務している奥田裕之さんの写真展が、大町市平のカフェ・ギャラリー「ベルヴィル」で始まった。白馬山荘から撮影した雲海などの十四点を展示している。

 山荘の今シーズンの営業は十月二十三日まで。問合せは白馬館電話026-72・2002へ

写真:白馬山荘の100周年を記念し、大町市で始まった写真展