6割が管理者不明 北ア南部の登山道

信濃毎日新聞2005年(平成17年)4月15日(金) 掲載 

 北アルプス南部の槍・穂高連峰で、主要な登山道十八本のうち、十二本は管理者が決まっていないことが、十四日、県庁で開かれた県の信州山岳環境保全のあり方研究会で報告された。

 県環境自然保護課が、自然公園法に基づく国の利用計画で歩道と位置付けられている登山道について、管理者が決まっているかどうか、国がまとめた登山道管理者の台帳などを基に初めて調査。上高地から横尾を経て槍ケ岳に至る登山道など六本は県が管理者となっていたが、ほかは決まっていなかった。奥穂高岳−西穂高岳間など、計画に位置付けられないまま利用されている登山道もあった。

 一方、この日の研究会で、中部森林管理局は、自然公園法上の利用計画とは別に、森林法に基づいて国が市町村に土地を貸し出している登山道もあると指摘し、さらに詳しい実態調査が必要なことをうかがわせた。

 県は今後、北ア北部や八ケ岳、中央アルプスなども含め管理状況を調べる。

 山岳関係者や行政機関でつくる同研究会は、登山道の管理責任があいまいなことから、誰が主体となってどの範囲で整備や維持、補修に当たるかを検討している。