◎福田康夫総理は昨年末12月27日から30日、中国を公式訪問し、胡錦濤国家主席や温家宝総理と会談し、首脳間の信頼関係を強めると共に、日中協力がアジアと国際社会に対して果たす責任(創造的パートナー)についての認識の共有、幅広い分野での「戦略的互恵関係」の具体化に合意しました。「迎春の旅」と表されるこのたびの訪問を象徴していたのが、北京大学における福田総理の「共に未来を創ろう」と題する講演でした。この講演は、中国全土に同時中継され、中国の人々に大きな友好のメッセージを送ることができたと評価されています。外務省から発表された全文(約1万字)をここで紹介します。

福田康夫総理訪中スピーチ
『共に未来を創ろう』

       平成19年12月28日  於:北京大学

福田総理訪中スピーチ『共に未来を創ろう』(骨子全文英語仮訳中国語版(PDF))(平成19年12月28日)




尊敬する唐家セン国務委員
尊敬する許智宏北京大学学長
並びに御在席の皆様

<資料B> 「日本と中国」(08.1.25

◇福田首相の訪中で日中関係が新段階へ


民間団体主催の朝食会であいさつする福田首相、12月29日北京・釣魚台で(孫東民氏提供)
  福田康夫首相が昨年12月27日から30日まで訪中し、胡錦涛国家主席、温家宝首相ら中国首脳と会談し、「桜の咲く頃に」胡主席が訪日することや、人的、文化交流の促進、2008年を日中関係飛躍の年にすることで合意した。長く停滞状態にあった日中関係は本格的な春の到来を迎え、相互協力と共同発展の新段階に入ったことを世界に印象づけた。
 福田首相は28日午前、北京の人民大会堂で温首相と会談し、「日中両国は大きなチャンスと責任に直面している。アジアと世界の未来の創造のため協力していきたい」と述べ、温首相は「日中関係はさらに発展していく重要な時期にある」と応じた。日中両首相は2008年を「日中青少年友好交流年」とし、今後4年間毎年4000人の青少年交流で合意した。
 同日夕には釣魚台で胡主席との会談が開かれ、胡主席が「青少年交流を強化し、友好的感情を強化することが大切」と民間交流の重要さを強調し、福田首相も賛意を示した。

 民間の歓迎会に出席
 29日の朝、釣魚台国賓館で中日友好協会と中国人民対外友好協会主催の歓迎朝食会が開かれた。外国首脳を迎えた民間主催の歓迎会はほとんど例がなく、会場は終始なごやかな雰囲気に包まれた。
 中国側から宋健・中日友好協会会長、戴秉国、王毅両外務次官、陳昊蘇・中国人民対外友好協会会長、北京大生約30人、日本側から宮本雄二大使、村岡久平・(社)日中友好協会理事長、北京日本人会の代表ら約200人が出席した。司会は井頓泉・中日友好協会副会長がつとめた。当日は宋健会長の誕生日で、福田首相はあいさつの中でお祝いの言葉を述べた。
 福田首相は今回の訪中を「迎春の旅」と表現し、帰国後「大変内容のある訪問だった」と旅の意義を強調した。