戦後60年を迎えて戦争と平和と友好を考える
中国・韓国・アジア諸国の人々とのあいだに60年かかって折角築いてきた信頼関係を取り返しのつかないところまで後退させつつある小泉外交とは一体なんだろう、と思っていた矢先、8月15日小泉首相の戦後60周年談話が突然発表されました。
「かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え(略)た歴史の事実を謙虚に受け止め、あらためて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明する」との言葉は、大変立派です。しかし、「言行信果」(言ったことは必ず果たす)に裏打ちされなければ単なる総選挙で民主党のアジア外交重視のマニフェストへの対抗策としてしか映らないでしょう。平成天皇の「戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い」の短いフレーズのほうが胸に響いた8月15日の戦没者慰霊祭でした。
近隣アジア諸国とのまたとない和解の機会を台無しにして日本の前途を誤らせた首相との歴史の評価を下される事のないよう望みたいものです。小泉首相が当面する総選挙で信任されたとして、談話の誠意度を注視していきたいと思います。民族的責任の思想を踏まえて日本の国益とアジアの繁栄のために政治指導者が決断すべきことは数多いのですが、まずは自ら作り出している最大の障害を取り除くべきだと多くの国民は思っているのです。
<天皇陛下のお言葉=8月15日戦没者慰霊祭において>
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、先の大戦において、かけがえの無い命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。 終戦以来すでに60年、国民のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。 ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民とともに、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります。
<小泉首相の8月15日戦没者慰霊祭における式辞>(抜粋)
また、先の大戦においてわが国は、多くの国々、とりわけアジアの諸国民に対しても、多大の損害と苦痛を与えました。内外の戦没者及び犠牲者のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
戦後60年の節目に当たる本日、内閣総理大臣談話において、改めて過去の戦争への反省を示すとともに、戦後60年の歩みを踏まえ、二度と戦火を交えることなく世界の平和と繁栄に貢献していく決意を明らかにしました。各国との友好関係を一層発展させ、平和を大切にする国家として、世界から一層高い信頼を得られるよう、全力を尽くしてまいります。
<小泉首相の終戦60周年談話>
私は、終戦60年を迎えるに当たり、あらためて今私たちが享受している平和と繁栄は、戦争によって心ならずも命を落とされた多くの方々の尊い犠牲の上にあることに思いを致し、二度とわが国が戦争への道を歩んではならないとの決意を新たにするものであります。
先の大戦では、三百万余の同胞が祖国を思い、家族を案じつつ戦場に散り、戦禍に倒れ、あるいは戦後遠い異郷の地に亡くなられています。
また、わが国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。こうした歴史の事実を謙虚に受け止め、あらためて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するとともに、先の大戦における内外のすべての犠牲者に謹んで哀悼の意を表します。悲惨な戦争の教訓を風化させず、二度と戦火を交えることなく世界の平和と繁栄に貢献していく決意です。
戦後わが国は、国民の不断の努力と多くの国々の支援により廃墟から立ち上がり、サンフランシスコ平和条約を受け入れて国際社会への復帰の第一歩を踏み出しました。いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を貫き、政府開発援助(ODA)や国連平和維持活動(PKO)などを通じて世界の平和と繁栄のため物的・人的両面から積極的に貢献してまいりました。
わが国の戦後の歴史は、まさに戦争への反省を行動で示した平和の60年であります。
わが国にあっては戦後生まれの世代が人口の7割を超えています。日本国民はひとしく、自らの体験や平和を志向する教育を通じて、国際平和を心から希求しています。今世界各地で青年海外協力隊などの多くの日本人が平和と人道支援のために活躍し、現地の人々から信頼と高い評価を受けています。また、アジア諸国との間でもかつて無いほど経済、文化など幅広い分野での交流が深まっています。とりわけ一衣帯水の間にある中国や韓国をはじめとするアジア諸国とは、ともに手を携えてこの地域の平和を維持し、発展を目指すことが必要だと考えます。過去を直視して、歴史を正しく認識し、アジア諸国との相互理解と信頼に基づいた未来志向の協力関係を構築していきたいと考えています。
国際社会は今、途上国の開発や貧困の克服、地球環境の保全、大量破壊兵器不拡散、テロの防止・根絶などかつては想像もできなかったような複雑かつ困難な課題に直面しています。わが国は、世界平和に貢献するために、不戦の誓いを堅持し、唯一の被爆国としての体験や戦後60年の歩みを踏まえ、国際社会の責任ある一員としての役割を積極的に果たしていく考えです。
戦後60年という節目のこの年に、平和を愛するわが国は、志を同じくするすべての国とともに人類全体の平和と繁栄を実現するため全力を尽くすことを改めて表明いたします。
<資料>
「2005年海外の視線-05衆院選」(信濃毎日新聞8/19)
日中協力貫く指導者期待
朱鋒 北京大学国際関係学院教授
靖国神社参拝問題などで冷却化した日中関係。北京大学国際関係学院の朱鋒教授(41)は衆院選で、日中協力を信念とする指導者が「ポスト小泉」に選ばれることが望ましいと期待する。(北京、共同=渡辺陽介)
−選挙をどう見るか
「日本政治の変化と日中関係への影響に注目している。自民党政権継続の可能性が極めて高く、民主党に政権交代することはないと思う」
−小泉政権の対中政策についてどう思うか。
「1972年の国交正常化以来の政治的基礎が基本的に崩壊し、日中関係は『大後退時代』となった。首相の民族主義的な個性と相互不信の増大、双方の民族主義などが関係悪化の背景だ」
−中国にとってどのような指導者が望ましいのか。
「東アジアの二つの重要国家として日中は協力する以外にないとの信念を持ち、日本国内でどのような対中批判があろうとも、その信念を堅持できる人物だ。短期的な利益のために民族感情を利用するような政治家は、日本であれ中国であれ極めて危険だ」
「日中政治関係の氷河期を抜け出すには『ポスト小泉』の到来が早ければ早いほどいい」
−胡錦濤政権に対日関係改善の意思はあるのか。
「日中関係重視は本心だ。王毅駐日大使任命など胡錦濤主席は関係改善のシグナルを出したが、日本からは反応がなかった。日本の国連常任理事国入りも今年初めまで『強く反対しない』方針だったが、(靖国問題などで)5月以降『強行反対』にかじを切った」
「(江沢民)前主席が対日関係で感情的だったのに対し、胡主席は個人的に(恨みなどの)特別な思い込みはなく実務的だ」
−民衆の反日感情が統制できなくなる恐れは。
「指導層と民衆で対日観は違う。だが、日本が民主的な自由経済国家で、軍国主義化はあり得ないという『常識』を民衆も知るべきだ。私の調査では日中関係の改善を望む人々は増えており、過度に感情的でない。改善の望みはある」
<資料>
「世界の窓fromアジアネットワーク」(朝日新聞8/17)
総選挙、アジア外交も語れ
天児 慧 早稲田大学教授
日韓関係が冷えびえとした6月初旬、ソウルで国交正常化40周年を記念する国際シンポジウムが開かれた。500人近い関係者を集めた大々的なものだ。「歴史セッション」に参加した私は、他の日本人学者らとともに、アジアとの近現代史相互理解のため日本で行われているさまざまな試みを紹介した。
韓国人学者の厳しい反論もあった。しかし最後に、「私がここに来たのは自己主張するためだけではない。お互いの立場を理解し合い、日韓が手を携えて未来のより良いアジアを創造するために来たのだ」と力説した。立ち見が出るほどぎっしり詰まっていた会場の一角から、その時、拍手がわき起こった。韓国の若い学生たちだった。心が通い合う、こうした反応には力づけられる。参加していた中国人研究者と早速、近い将来に中国でもこういう大規模な会議をやろうと語り合った。
昨年末ごろから、アジア各地の主だった大学との協力をベースにNGOや政府系機関などとも連携しながら「アジア・ヒューマン・コミュニティー」の構築を試みている。まだ先行きは不安定だが、来月末に「アジアの信頼醸成と平和構築」をテーマに国際会議を開催するところまでこぎ着けた。中心議題は和平合意後のアチェのケースだ。インドネシアの当事者や東南アジア各国の関係者らが集まってくる。そこに日中韓の知識人も参加する。アジアの問題をアジア人同士で解決することを目指す。それを通じて「アジア人の連帯意識」が醸成されれば、共同体づくりの人的基盤にもなるだろう。マレーシアの若い知識人は熱のこもったメールをよく送ってくる。
それにしても、日本を取り巻く最近の現実は厳しい。そもそも8月は日本人にとって「重苦しく暑い夏」である。加えて今年は歴史の「負の遺産」を問い直すだけでなく、過去を引きずる「現在の負の外交」にも頭を抱えなければならず、重苦しさが増している。政府が全力を挙げて取り組んだ国連安保理常任理事国入りの折衝は東南アジア諸国にソッポを向かれ、中国と韓国の激しい反対にさらされ、頼みとしていた米国、さらにアフリカ連合のG4案不支持で暗礁に乗り上げてしまった。
つい先日の北朝鮮をめぐる6者協議では「拉致問題」は議題にすら挙げられず、核問題処理でも日本は隅に置かれたままだった。靖国・歴史認識問題などを引き金に悪化した中国、韓国との関係は相変わらずとげとげしい。そんな中、郵政法案の参院否決で前代未聞の総選挙に突入する。「暑い夏」はヒートアップするばかりだ。
小泉総理は郵政改革に反対の自民党議員を公認しないと言い、この選挙を「郵政改革の是非を国民に問う選挙」と位置づけた。確かに郵政改革問題は重要である。しかし、今回の総選挙はそれだけではなく、小泉政権が推し進めてきた「競争社会に対応できる構造改革」と「米国傾斜を加速する日本外交」が、本当に21世紀のわが国の針路として適切であるのかどうか、その是非を問う極めて重大な意味を持っている。
構造改革が必要なことは皆知っている。だが、効率性・合理性だけが絶対的な価値ではない。社会的弱者への配慮、低迷する地方の再活性化などへの目配りは果たして十分だろうか。「切り捨てられる」側にも社会の大切な価値はある。
そして外交面。アジアの指導者と会談しても上っ面を取り繕うだけで、真摯な対話による問題解決、信頼醸成の努力を怠ってきた。そのツケが、常任理事国入りや拉致問題解決への協力に深刻な影を落とししたことは間違いない。もちろん指導者間、政府間の付き合いだけが信頼醸成のための交流ではないが、トップリーダーの役割、影響力が絶大なのは言うまでもない。
総選挙を「郵政改革」論議だけにしてはいけない。明日の日本をどう構築していくのか。それがまさに問われている。
<資料>
「改革は進むか−05衆院選] (日本経済新聞9/2)
アジアでの国益見据えて
後藤康浩 日本経済新聞編集委員
−<ポイント>−−−−−−−−−−−−−−−
○政治にはアジアと向き合う気概が必要
○日本企業の成長の可能性はアジアにある
○まず日中首脳の相互訪問の再開を目指せ
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戦後六十年の今年、日本が立ち向かうべき大きなテーマは、アジア諸国との関係を再確認し、アジアにどう日本を位置づけていくかだった。
だが、冷え切った日中・日韓関係など小泉純一郎政権のアジア外交の手詰まりばかりが目に付く。アジア各国との自由貿易協定(FTA)交渉も、合意までたどり着いたものも意欲的な内容とはとても言えない。
郵政民営化の重要性には議論の余地はない。だが、選挙の争点を郵政に絞り込み、印象づけようという手法は、アジアと向き合おうという政治の気概に欠けている。
自民党のマニフェスト(政権公約)は郵政民営化を懇切丁寧に説明する一方、アジア外交は「百二十の約束」の百七番目に位置づけているにすぎない。内容も「中国、韓国など近隣諸国との関係の改善強化」など空疎な二行で済ませている。
民主党はマニフェストで「平和で豊かなアジアをつくります」と意気込みを示す。だが、アジア諸国からの留学生受け入れ拡大などを除けば、抽象論の域を出ていない。
外交問題で選挙は戦えない、という現実はある。しかし、これほどアジアが政治の視野からはずれ、アジアに発信するメッセージもなくて大丈夫なのか。
政府・日銀は先月「景気の踊り場脱却」を宣言した。上場企業の経常利益は二○○四年三月期、○五年三月期と連続で過去最高を更新した。
バブル経済崩壊後の過去四回の総選挙と違って、今回は経済界に政治空白への批判や景気対策を求める悲鳴がほとんど聞かれない。足元の業績の好調さが経済界に余裕を生んでいる。日本経団連、経済同友会とも構造改革に目を向けているのはそのためだ。
だが、景気回復の要因を子細にみれば、選挙の争点を内向きの構造改革だけで済ますことはできない。鉄鋼、化学製品から工作機械、電子部品まで中国をはじめとするアジア需要が日本経済の復調の追い風となったことは明らかだからだ。
日本の大手製造業の海外生産比率はすでに二八%を超えた。前期には主要上場企業は営業利益の三○%を海外市場で稼いだ。人口減少がすでに始まり、高齢化も進む中で、日本企業は生き残りと成長の可能性を海外市場、とりわけ伸びるアジアに求めざるを得ない。
言うまでもなく、アジアとの関係再構築は、日本製品の市場獲得という実利的動機だけで目指すべきものではない。日本がアジア諸国との相互信頼に基づく、安定した関係を築くことで、アジア全体の成長機会を広げることが目的である。FTAはまさにその一助となる。アジア各国が健全な成長を遂げることが結果的に日本にも多くの果実をもたらす。
インフラ整備、雇用創出、人材育成、エネルギーの安定供給など日本がアジアで主導できる分野は広い。日本は改めてアジアにおける自らの責任と能力を確認すべきだ。国連安全保障理事国の常任理事国にはなりたいが、アジアでは責任ある態度も将来のビジョンも示さない、という身勝手は許されない。
まず着手すべきは日中首脳の相互訪問の再開である。相互訪問は○一年十月の小泉首相の訪中を最後に四年近く途絶えている。
「中国首脳とは国際会議の場で会っている」と小泉首相は強弁する。だが、重要なのは日本の首相が中国人の目にさらされ、胡錦涛国家主席が日本人の目にさらされることなのである。訪れない相手には誤解と妄想が膨らむだけだからだ。
日本企業が工場を建て、市場を開拓することで、日本経済の立脚する基盤はアジアに広がった。上海やバンコクの日本人学校には二千人以上の日本の子供が通っている。アジアに広がる様々な国益から政治が目をそらすことはできない。
<資料>
「村山総理大臣の戦後50周年の終戦記念日に当たっての談話」(1995年8月15日)
先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。
平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方(きしかた)を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊(みたま−死者の霊魂を尊んでいう語)を鎮(しず)めるゆえんとなると、私は信じております。
「杖(よ)るは信(しん)に如(し)くは莫(な)し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。