県日中友好協会定期大会に呉江浩中国大使、知事臨席激励

平和友好条約45周年、河北省友好40周年、友好訪中団派遣や卓球交流大会など決定(5/25)

  長野県日中友好協会は5月25日、第61回2023年度定期大会を長野市内の犀北館ホテルで開きました。4年ぶりの対面の定期大会には県内各地から110人が出席しました。

本年は、日中平和友好条約45周年、長野県と河北省友好県省40周年の年に当たり、コロナ禍が平穏化に向かう中、友好訪中団の派遣、中学生卓球交流大会開催、戦中中国から強制連行殉難者慰霊祭の開催などに官民連携して取り組み、日中交流を再開し友好関係の発展、相互信頼関係の回復を図るなどの新年度の活動方針を決定しました。来賓として、呉江浩中国大使、阿部守一知事らが出席され激励をいただきました。

 金子繁三副会長の司会で大会がスタート。冒頭、物故された先輩の皆様に黙祷を捧げました。
 
 高波謙二会長体調の関係で、代わって布施正幸副会長があいさつし呉大使、阿部知事ら来賓のご臨席や日ごろの支援に感謝を表した後、「国際情勢が激動している中、日中関係は米中対立の激化を背景に重大な試練の時を迎えている。日本は自主的立場に立って外交努力を重ね、日中間の不安定要因を克服し、建設的な協力関係構築に努めてほしい。本年は日中平和友好条約45周年、河北省との友好県省40周年にあたり、夏には、知事さんとともに県日中友好訪中団を派遣し、河北省で友好40周年祝賀会に参加、8月下旬には各友好都市から中学生卓球選手団を招いて日中友好都市中学生卓球交流大会を開催し、秋には戦中中国から強制連行された中国殉難者の慰霊祭の開催を計画している。 14億の人々が住む隣国中国との、相互理解・相互信頼増進に力を入れ、民間の立場から日中不再戦・平和友好の原点に立ちかえって交流に取り組んでいきたい。改めて「日中友好は最大の安全保障」という宇都宮徳馬先生の教えを銘記し、友好協会の社会的使命を自覚し、この思いを県民の皆さんに呼びかけ、若い世代につないでいきましょう」と述べました。

 続いて、阿部知事は、定期大会の盛会と、特に呉中国大使を迎えて有意義な交流機会となったことに祝意を表した後、「長野県は中国と、スキーをはじめとしたスポーツ、経済産業、観光面の交流などを進めてきた。コロナ禍も落ち着きを見つつある中、交流を再開していきたい。本年河北省との友好40周年にあたり、記念の訪中団派遣などが計画されている。人と人との顔の見える関係が友好の基礎であり、友好協会の皆様の長年にわたる交流成果を大切にして友好関係を深めていきたい。友好協会の一層のご協力をお願いするとともに活躍を期待している」とあたたかい激励をいただきました。

着任間もない超多忙の中、長野県を訪問された呉江浩中国大使は長野県日中友好協会の活躍に期待を寄せ、総会の成功を祝した後、「長野県には10数年ぶりの訪問となり大変懐かしい。長野県は中国と深い関係があり、特に河北省と各分野の交流を進めてきた。友好の伝統を発揚し、熱心に努力され、中日関係の発展と両国の福祉増進に貢献されてこられた。皆様に感謝申し上げたい。中日間にはチャンスとともに、複雑な国際環境の下で試練にも直面している。中日両国、2つの民族はそれぞれの基軸をもっているが、日中平和友好条約をはじめとした4つの基本文書を基礎にして関係を発展させてきた。新しい情勢の下で、民間交流は両国関係の基礎であり、平和友好の方向性を変えてはならない。午前中、阿部知事、佐々木議長と懇談し相互利益、友好の未来について意見が一致した。日中関係発展にとって大事なことが3つある。①友好の信念を持って各界の友好の力を結集し付き合いを発展させていく。②交流と友好を増進し、国民同士の相互信頼を発展させる。北京冬季オリンピックは昨年成功裡に開催できたが、長野県の皆さんの協力に心より感謝したい。③ウインウインの関係を築いていく。中国は改革開放45周年で、日中間の貿易額も更新している。大使館としても各分野の交流増進の流れをサポートしていく。知事の訪中を支持する。知事や議長、高波会長はじめ皆様を大使館にお招きしたい。長野県の観光プロモーションを応援したい。ビザ手続きの便宜を図っていきたい。大使館は様々な両国の交流事業を支持していく」と述べました。大使の友好に対する熱意に大きな拍手が送られました。

 また、若林健太(代)・井出庸生(代)・中川宏昌(代)衆議院議員、杉尾秀哉参議院議員(代)、埋橋茂人県議会副議長並びに、荒井武志・清水純子・加藤康治・川上信彦県議、西堀正司(公社)日中友好協会専務理事から祝辞をいただきました。続いて、来賓の紹介と祝電の披露(米山事務局次長)が行われました。

 議長に清水清利(小諸市)・牛山好子(松本)の両氏、大会運営委員に宮崎常夫(長)・小林隆利・小林勝人・小原秀元の各氏、大会書記に佐野修一・山崎始の両氏、議事録署名人に峰村洋・吉岡尋子の両氏を選出し、宮崎運営委員長の大会成立報告を受けて議事に入りました。

2022年度の活動報告(中澤保範事務局長)、決算報告(吉岡弘海会計理事)、会計監査報告(田近勝之監事)を承認した後、2023年度の活動方針(大月良則理事長)、予算(土屋博財政委員長)を採択しました。役員補充では、布施副会長が、理事会の論議を踏まえ、新副会長に足立正則(飯山日中会長)、新理事に荒木武貴(軽井沢日中会長)、小原茂幸(伊那日中会長)の各氏の選任を提案し承認されました。

 本年度の活動方針では、平和友好条約45周年・河北省との友好県省40周年記念事業(友好訪中団の派遣、中学生卓球交流大会開催、戦中中国から強制連行殉難者慰霊祭の開催)を実施していくとともに、新たな時代を拓く取り組み、組織の再構築、財政基盤の強化に取り組み、平和のセイフティネットである日中友好交流の輪を広げアジアと世界の平和繁栄に貢献していくことを決定しました。

 続いて、大会宣言(山崎美代子・県女性委員会副委員長)と大会スローガン(松本華恵・県青年委員会委員長)が提案され採択されました。

 議事終了後、軽井沢在住のバリトン歌手崔宗宝さんが「荒城の月」「オーソレミヨ」を素晴らしい歌声で披露し、会場は拍手に包まれました。最後に、女性委員会のリードにより、全員で「永遠の友情を」を斉唱し友好を誓いました。清水可晴・副会長の閉会あいさつで終了しました。

 来賓として前記各氏のほか丁玥大使夫人、張漪波公使参事官、陳浩三等書記官、王菁アタッシュエ、夏丹中国伝媒大学長野孔子学堂責任者、稲玉稔県国際交流課長、王昌勝県華僑総会会長、良川健太山ノ内町移住交流推進課主事、古畑元大松川村教育長、梶田能孝県経営者協会総務部次長、鈴木幸一県中小企業団体中央会総務部長、山下佐代県商工会連合会農業共済課長、井出英治県信用保証協会常務、武重正史県農協中央会専務理事、藍葉弘之県スキー連盟副会長・河野政己同専務理事、中本栄部落解放同盟県連書記長、花岡徹県国際化協会常務理事、葛欣(一社)日本河北商会副会長らが出席しました。 また祝電が多数寄せられました。