日中国交正常化50周年、共同声明の原点に立って友好進めよう  

                            長野県日中友好協会副会長・西堀正司 

日ごろの日中友好のための様々な活動にご理解ご協力、ご支援をいただき感謝と敬意を申し上げます。

本年は日本と中国が国交正常化して50年の節目の年です。

 新型コロナ禍の影響が2年余りになり、実務的な直接交流は延期や中止が相次ぎました。しかし、1年延期で東京五輪・パラリンピックが昨年夏開催され、本年2月には北京冬季五輪パラリンピックが盛大に開催されました。両国選手の活躍は素晴らしかったです。長野県出身の選手の活躍も目立ちました。スポーツを通じた日中友好に貢献されました。 

 一衣帯水の隣国同士の日中関係は世界の中で稀有な関係です。2千年の長い交流の歴史は、文化・経済・人事等に多大な利がありました。

 しかし、近代になって数十年間両国は戦争という負の歴史を歩みました。当時の日本の軍国主義が引き起こした侵略戦争は1945年の日本の敗戦により終了しました。

 明治維新から敗戦までの77年間は、日本の近代化進行の中でアジアとの関係においては負の近代化と思っています。

 戦後は新しい日本として始まりました。今年で77年になります。1949年には国共内戦を経て中華人民共和国が成立し、新しい国造りが始まりました。しかし米国の中国封じ込め政策の下日中関係は断絶したままでした。日中友好協会は、新中国建国の一年後1950年に発足しました。

組織は全国に拡大し、日中国交回復を要求する国民運動、県民運動、市民運動を協会が中心になって進めました。両国の国交正常化を目指して友好運動が展開されました。国民運動は大きな成果を上げ、1972年田中角栄首相が訪中し周恩来総理との間で日中両国は共同声明を発して日中国交正常化がついに実現し、歴史の新しい一頁を開いたのでした。

 それから50年、日中共同声明や平和友好条約など4つの重要文書を両国政府は結び、実務交流を強化発展させ、両国民に大きな成果と利益をもたらしました。この50年間に経済貿易額は350倍、人事交流は千倍以上、文化交流は数千倍の伸びと言われます。地方交流も友好都市を柱に拡大しています。

 並々ならぬ先人の努力に思いをいたしながら国交正常化50周年をともに祝賀したいと思います。

 2月下旬、ロシアのウクライナ侵攻が行われました。私たちは声を大にして、反戦・平和を主張します。日中友好の重要性、必要性、緊急性を県民あげて理解し、地方民間交流を粘り強く進めていきたいと思います。(「日本と中国」長野県版2022.8.1)