<資料> 
日中国交50年 関係を良好に
   
                           佐久市  井出とよ子(主婦・92)

 日本と中国が国交を回復してから50周年の今年こそ、友好関係を取り戻す絶好のチャンスと考える。小国日本が新天地を目指して起こした軍事行動を精算し、和解することができたのは、当時の両国指導者の努力のたまものと思う。

 私達は小学校のころ、日本の文化の発展は中国からと学んだ。遣唐使などのロマンを熱く語ってくれた恩師が忘れられないし、戦中でも漢詩や論語の学習は禁止にならなかった。それだけ、中国文化は日本に深く浸透して日本のものとなっている。日本と中国の絆は簡単に切れるものではないと思う。

 私たち庶民は、引っ越して来ればまず、隣家からあいさつに行く。遠い親戚より近くの他人と昔から教えられてきた。それなのに、就任してもなかなか隣国を訪問しない歴代首相。国民同士は何の違和感もなく付き合っているのに、政治の場だけ別とは理解に苦しむ。

 今年9月に中国が記念式典の開催を検討しているという。この絶好の機会を逃さず、平和を維持する努力をしてほしい。

(信濃毎日新聞・「建設標」 2022.2.5)