日中友好協会創立70周年-コロナ禍を乗り越え新時代に備えよう! 

                               長野県日中友好協会副会長   西堀正司  

 本年は、日中友好協会の創立70周年の年であり、たくさんの友好企画事業が計画されていました。

 しかし昨年10月の台風19号の襲来、今年になって新型コロナウイルスの世界的大流行、東京オリンピック・パラリンピックの延期、習近平国家主席の来日延期、7月の豪雨災害と次々と続いており、大部分の事業が中止か延期になってしまいました。

 コロナ禍は中央、地方とも、経済、社会、スポーツ、文化、観光、教育等々に大きな影響を与え、交流を縮小に追い込んでいます。中国でも例年3月に開催される全人代(国会)も5月末に延期となり経済情勢も「コロナ」の影響を受け、成長目標を発表しませんでした。日中両国は、世界経済の中で2位・3位を占めており、成長が停滞することは世界に大きな影響を及ぼします。

 一方、中米両国間には激しい対立があります。(一部学者は大国間の覇権争いと解説)。米国は経済の減退により先進7か国の団結力が弱まり、指導力が発揮できないばかりか、米国ファースト、独善的なナショナリズムを政策の中心としています。中国は20年を第13次5か年計画最終年として経済成果を上げ小康社会の実現が期待されていました。米国は中国との貿易不均衡を問題視し、当初25%の関税を中国製品に課してきました。中米対立は、経済、貿易から科学技術や安全保障、台湾への武器輸出、人権問題、更に香港問題にも広がっており、その動向は日本に大きな影響を与えています。

 今年は日中国交正常化から48年、戦後75年にあたります。この75年間、日本は戦争せずに平和の時代を過ごしました。日中関係は二千年の友好往来と50年の対立・戦争の歴史を経験しました。中国の文明を取り入れ国づくりに活かしました。近代に入って中国を侵略した反省から学んだことは平和友好の大切さです。日中両国は、相互補完と相互依存の関係にあり互恵平等、友好協力こそが重要であることを学びました。この道理は多くの人の共通認識となっています。国民の不断の努力が重要であることも銘記したいと思います。

当面延期された習近平国家主席の来日の実現は両国間の課題です。首脳交流の継続は両国関係発展の上で重要な意味を持っています。コロナ禍の平穏化と日中両国民の相互信頼関係発展を願っております。協会として日中友好の重要性と必要性をアピールし官民あげて友好交流再開に備えていきたいと思います。日本の未来を決定する日中友好事業を推進していきましょう。

       (2020.8.1「日本と中国」長野県版90号)