松本日中友好協会定期総会での祝辞
日中友好を大切にアジアと世界の平和繁栄に貢献していこう

                   長野県日中友好協会理事長 布施正幸


 松本日中友好協会は相澤会長の指導のもと中国大使館との交流「観桜会」や廊坊市との友好都市交流、中国語講座開講などに取り組み大きな成果を上げてこられました。松本日中友好協会の日ごろのご活躍とご協力に敬意と感謝を申し上げます。

 現在新型コロナウイルスの感染拡大によって世界では1250万人余りの人々が感染し、56万人の死者がでております。うち4分の1をアメリカが占め、中国は何とか抑え込み、日本は頑張って拡大を抑えようとしています。米中対立が激化しておりますが、世界的に英知を結集し協力して、ワクチンや治療薬の開発を進めていくことが非常に大切と思います。

 本年は日中友好協会創立70周年にあたります。日中関係は、コロナ、香港、尖閣問題などがあって現在厳しい状況となっています。日中友好協会の創立者の内山完造先生(魯迅先生の友人で初代協会理事長)は1956年県日中友好協会が誕生するに先立って長野県に幾度か足を運び協会設立を働きかけました。先生は「中国がたとえどのような国になろうとも、資本主義国になろうとも社会主義国になろうとも、日中両国国民は子々孫々仲良くしていかねばならない」と力説されたそうです。友好協会は思想・信条・政党政派を越えて日中友好の一点で結集するボランティア組織です。14億の人々の住む隣国とは是非とも仲良く付き合っていきたいものです。日本は米中対立が激化する中で主体性をもってバランスの取れた付き合いをし、国益を守り、日中友好を大切にしてアジアと世界の平和繁栄に貢献していくべきと思います。

 コロナ禍で交流がストップしていることは大きな打撃ですが、国交正常化前と違って県内には9千人を超える中国籍の方が生活しており、県内企業も440社が中国に進出しています。身近なところに中国は存在し、交流機会はたくさんあります。

 前向きなニュースも聞こえてきます。EMS郵便再開、ビジネス分野の交流再開に向けた両国の協議の動き、長野県と大変深い交流のあった程永華前中国大使の中日友好協会常務副会長就任などです。

身近なできることから取り組みを一歩一歩進め、復興の日に備えていきたいと思います。
松本日中友好協会の皆様のご活躍をお祈りし祝辞とさせていただきます。(2020.7.13)