祝中華人民共和国建国70周年 中国との交流を推進し、中国理解を深めよう!

長野県日中友好協会副会長・会長代行 西堀正司

  本年10月1日は、中華人民共和国建国70周年の記念日です。

中国は、第2次世界大戦後の国際情勢の複雑な状況の下で、独立自主の精神のもと刻苦奮闘、自力更生、勤倹建国の努力を続け世界のトップグループ入りを達成しました。

20世紀に入り、清国は欧米列強に侵略され一層弱体化し、1911年には辛亥革命が勃発し、中華民国が成立しました。2千年余り続いた封建時代は終わりましたが、革命は不徹底に終わり、半封建半植民地の状況は変わりませんでした。

19年5・4運動の中から、21年中国共産党が誕生して、本格的な変革を目指す組織的活動が始まりました。28年間の党を中心とする活動、その戦略的な原則と世界情勢分析の結合が、毛沢東の指導により行われ成功しました。貧しく立ち遅れた中国は、49年10月1日に新生中国としてスタートしました。その目的は、新国家の建設と、世界平和の達成でした。しかし厳しい国際、国内情勢が、中国の前途に立ちはだかりました。幾多の紆余曲折を経て改革開放の道へと大転換した中国は、以来世界から注目される驚異的な発展を遂げ、現在世界の政治、経済に強い影響を与えるようになりました。「一帯一路」も世界から注目され、GDP世界第2位、一人当たりのGDPも約1万ドルになりました。中国は依然として歴史的な大変化の過程を歩んでいますが、70年間の成果は評価に値するものです。

日中関係に目を転じると、5年あまり歴史的問題や尖閣問題によって政府間のギクシャクは激しく、両国の国民感情も悪化しました。その間日中友好協会を中心に、民間団体がお互いに力を発揮しながら連携して困難を乗り越える活動を展開し、友好関係を回復すべく環境を変えてきました。地方を以て中央を動かし、経済を以て政治を動かし、青年、女性をもって各民間団体の力を動員して、更に官の協力を得るというものです。その甲斐あって両国首脳交流が再会され両国関係の好転が始まりました。

お互いの国を真に理解する上で大切な国民感情の劣化が数年間続いていましたが、好転する友好事情の進展により少しずつ改善されてきました。人事往来は昨年1100万人を超えるようになり、経済交流でも落ち込んでいた貿易額も上昇し3200億ドルになりました。

協会は建国70周年を祝賀したいと思います。大切な隣国中国の巨大な変化を知り、そのために交流機会を積極的に増やし相互理解と相互信頼を増進しましょう。日中両国の平和と友好はアジアの平和、世界の平和にとって不可欠です。広く呼びかけ、交流を通じて仲間を増やし、友好協会を充実強化し、友好の基盤を拡充していこうではありませんか。        (2019.8.6)