日中国交正常化45周年を記念し講演と祝賀のつどいを開催(10/3)

 長野県日中友好協会・県日中経済交流促進協議会・県日中学術交流委員会は10月3日、日中国交正常化45周年を記念して講演と祝賀のつどいを長野市内のホテル犀北館で開きました。講演会には、150名が出席。NHK解説委員で元中国総局長の加藤青延(はるのぶ)先生を講師に迎え「2期目を迎える習近平体制と日中関係の今後」と題して記念講演が行われました。終了後、先生を囲んでパネルディスカッションがおこなわれました。長年中国の状況を取材し続けてきた加藤先生ならではのお話で、中国の現状に対する認識を深め、今後の日中関係の在り方を考える良い機会となりました。

 高波謙二・県日中友好協会会長が主催者を代表して「今から45年前、両国の法的戦争状態に終止符が打たれ国交正常化が実現し両国は平和的友好的に付き合っていくことを誓った。以来両国は様々な曲折はあったが、人事経済文化各分野の交流を大きく飛躍させ中国は日本にとって最大の貿易相手国となり、人事往来も850万人を超えた。この5年来、尖閣問題や歴史認識問題によって政治的には厳しい状況にあったが、一帯一路への参加の機運もあり改善の流れが出てきた。安倍総理は、先ごろの程永華大使主催の祝賀会の席上両国の関係改善に力を入れることを表明し、首脳交流に意欲を見せた。是非、国交正常化45周年と来年の平和友好条約40周年を日中関係前進の契機としていただきたいと願う。中国は19回党大会を控え、習近平体制が2期目を迎える。加藤青延(はるのぶ)先生を講師に迎え、現代中国への理解を深めながら、どのように新時代に適応した日中関係を築いていくか、をともに考えたい」とあいさつしました。

 来賓として阿部守一知事があいさつし、創立60年を経過した長野県日中友好協会の歩みを称えた後、「私も就任以来、友好協会の皆様の築いてきた友好関係の基礎の上に6回にわたり中国訪問を訪問し、顔の見える関係を築いてきた。唐家璇先生からも官民連携しての日中友好のイノベーションと評価いただいた。友好協会と協力して今後も友好交流を進めていきたい。2020年の東京オリンピックに向けて中国を相手国とするホストタウン交流事業、2022年の北京冬季オリンピック(スキー競技は河北省張家口しで実施)を長野五輪の経験を活かして支援協力し友好交流を深める事業、10月の河北省・北京友好訪問事業の3つを柱として友好を深めていきたいと考えているので、皆様のご協力ご支援をお願いしたい」と述べました。席上、阿部知事から友好協会あての感謝状が高波会長に手渡されました。出席者から温かい拍手が送られる中、高波会長が感謝の意を述べました。

 加藤先生は講演の中で、「反腐敗」、「一帯一路」や「中国の夢」の実現を掲げ、権力基盤を強固にしつつある習近平体制がどのように確立されていったかを3段階に区分して分かりやすく解説されました。第19回党大会をまじかに控え、党規約や、指導部人事などに関心が高まる中、大変興味深いお話でした。日中関係の展望については、本年の国交正常化45周年と来年の平和友好条約40周年のタイミングを活かしながら関係改善の方向に進展していくだろうと予測しました。

 講演後、加藤先生を囲んで立石昌広・県日中学術交流委員会事務局長(県短期大学教授)、寺沢秀文・満蒙開拓平和記念館専務理事をパネラーに、西堀正司・県日中理事長がコーディネーター役をつとめ、パネルディスカッションが行われました。参加者は熱心に耳を傾けました。

 第2部の祝賀パーティーでは、県日中学術交流委員会会長の濱田州博・信大学長が主催者あいさつを行いました。小松裕代議士(県卓球連盟会長)、村石正郎県議会日中友好促進議員連盟会長の祝辞の後、中島恵理副知事の音頭で乾杯しなごやかに懇談交流しました。

 折から白馬村のオリンピックジャンプ台で訓練中の中国ナショナルチームジャンプ訓練隊(団長:張冬生・中国冬季運動管理中心幹部一行16名)も参加し、盛んな拍手が送られました。一行は県日中スキー交流委員会の受け入れで10月1日から18日まで訓練中で、この皆さんの中からオリンピック出場選手が選ばれるそうです。長野県と中国とのスキー交流は1979年から県や県スキー連盟、県日中友好協会、関係7市町村のご協力のもと続いてきました。2022年の北京冬季オリンピックのスキー競技は長野県と友好県省を結んでいる河北省の張家口市で開かれます。