河北省から北京冬季オリンピック交流訪日団が来県(9/23~25)

 蘇岩・河北省北京冬季オリンピック弁公室副主任を団長とする河北省冬季オリンピック協力交流訪日団一行6名が9月23日から25日にかけて来県しました。長野県内、白馬村や志賀高原のオリンピック会場を視察するとともに北京オリンピックの協力などについて県やスキー連盟など関係者と意見交換しました。一行は、韓国の平昌、北海道の札幌を訪れた後、長野県入りしたものです。それぞれのオリンピック開催地の経験を学び、相互の協力交流を深めることが目的でした。団の通訳として、長野県としてなじみの深い河北省外事弁公室の紀竑さんが同行されました。

 休日であったにも関わらず、白馬村では、松沢忠明白馬村課長や福島信行北アルプス日中友好協会会長(元白馬村村長)、太谷陽一白馬スキークラブ会長らが出迎えていただきました。懇談の中で、オリンピックの際の用地買収や環境保護、財源確保、専門人材育成、気象変化に対する対応などの苦労話が披露され、その経験を踏まえて、現在外国人が一番多く訪れるスキー場になったことが紹介されました。またオリンピックに向けて、2年前にスキークラブを作ったこと、アジア大会とワールドカップの経験を積みオリンピック本番を迎えたこと、村の行政との連携、スキーの専門家の育成、施設をコントロールする人材養成など国際大会のノウハウを次世代につないでいく努力を続けてきたことなどが次々と紹介されました。

 蘇岩団長は「白馬がスキーに最適なところというのがよくわかりました。ジャンプ台も選手が練習していて人気のあるところという印象を受けた。張家口は大会経験が不足しているが、2020年、21年にはフリースタイルのテスト試合などを行う予定。ナショナルチームの訓練隊受け入れなどご協力をお願いしたい」と述べました。

 ジャンプ台やスキー場の視察中も、質問がなされ、熱心な姿が印象的でした。

 続いて訪れた志賀高原では、大回転コースを眼下に見ながら山ノ内町の湯本義則総務課課長補佐らから説明いただきました。シーズン中の観光客が600万人で大会開催などは会場確保の上で難しく、多くないこと等を説明いただきました。

 5時からの歓迎交流会には高波謙二県日中会長、大月良則県国際担当部長、河野博明県スキー連盟副会長はじめ県や関係町村責任者、スキー連盟や日中友好協会関係者ら27人が出席しました。歓迎会に先立っての交流座談会では、大月部長が長野冬季オリンピックの経験を紹介し、蘇団長が北京冬季オリンピック、スキー競技の準備状況を紹介しました。

 蘇団長は、インフラ整備は年内に38箇所が完成する予定で、北京ー張家口の高速鉄道も2019年開通目指して建設が進んでいて完成すれば50分で移動できる。北京との共同開催だが、大会終了後ウインタースポーツ分野で名声を博せるようにしていきたい。白馬や志賀高原の後利用の経験が参考になった。大会に向けては、コーチと選手の育成が課題となっている。人材の養成では重点的にはスキーの盛んな東北地区に送って育成を進めようとしていることなどが紹介されました。また河北省の目標としている4つの重点は、①自国選手が金メダルを取る、②運営が成功裏に終わる、③後利用の問題の解決、④スキーの普及であることも紹介されました。

 歓迎会は、平昌、東京、北京とアジアでのオリンピックが続く中で、その成功のため協力していくこと、メダルを目指して良きライバルとして切磋琢磨していくことを確認し合いながら、大いに盛り上がりました。