2017年国交正常化45周年を友好交流再活性化、相互信頼回復の年に

                                       長野県日中友好協会事務局長 布施正幸 

  2017年の新春を迎え謹んで各位のご多幸をお祈り申し上げます。

日中関係は国際情勢の激変の中で、尖閣問題や安全保障問題等複雑な問題を抱え一進一退を繰り返してきましたが、徐々に明るさも見えてきました。地方民間交流、国レベルの青年学生交流も再開されてきています。多くの課題が残されていますが、両国政府と国民が英知をかたむけ、真に戦略的互恵関係を築き両国が協力してアジアと世界の平和と繁栄に貢献していけるよう願ってやみません。深い歴史的かかわりを持ち、また最大の貿易相手国でもある中国とは、文字通り、隣国同士仲良くしていきたいものです。中国では習近平体制の下で、経済政策の再調整、一帯一路構想の推進などを掲げ、GDP世界第2位の大国としての国際的存在感を強めておりその動向が注目されています。

丹羽宇一郎全国日中会長(元中国大使)は近著『新中国の大問題』の中で次のように指摘しています。
 --今や中国抜きに国際情勢は語れない。20世紀を支配したアメリカの覇権は陰りを見せ、代わりに中国が経済的にも政治的にも急速に台頭してきた。四半世紀前に比べ経済規模は25倍に膨らみ、中国をうまく活かすことが、日本ばかりか世界が生き残るためには不可欠な時代となっている--

 我が国としても対米一辺倒、反中国の思潮に押し流されることなく歴史の教訓を生かし、日中不再戦・平和友好・覇権反対を大切にして相互信頼関係を回復し安定的な日中友好協力関係を築いて行くことが期待されます。

 昨年は長野県日中友好協会創立60周年の年にあたりました。また満州事変から85周年でもありました。 県協会は、先人の努力の後に学び、諸活動に取り組む中で、日中不再戦、平和友好の大切さを県民にアピールしつつ歩んでまいりました。4月の60周年記念友好訪中団の派遣、9月の唐家璇(とうかせん)中日友好協会会長を迎えての友好懇談会・歓迎会の開催、10月の60周年祝賀大会開催と記念誌『虹の架け橋―長野県日中友好の歩みⅣ』の発刊をはじめ、周恩来総理回顧展、中国との東京五輪ホストタウン推進県実行委員会の設立、緑化協力やスキー交流の推進、中国留学生ホームステイ、中国語の普及、帰国者支援活動などにとりくみました。こうした中で、県との協働が進んだことは評価されます。また11月に天皇皇后両陛下が満蒙開拓平和記念館を参観され関係者と懇談されたことは大変喜ばしいことでした。

 本年は日中国交正常化45周年の節目の年に当たります。日中友好都市中学生卓球交歓大会をはじめとした諸行事に取り組み、日中共同声明の原則を守り、日中平和友好の大切さを胸に刻み、友好を望む両国の有為の人々と連携し交流の再活性化に努め、相互信頼を回復していきたいと思います。引き続きご支援ご協力をお願い申し上げます。