創立60周年・長野県日中友好訪中団、北京・河北訪問、60周年をともに祝賀(4/6~11)

長野県日中友好協会は県協会創立60周年を記念して4月6日から11日、高波謙二会長を団長とする長野県日中友好協会訪中団を派遣しました。訪中団には25名が参加し、北京、河北省の省都石家荘市や緑化協力地の邢台市の内丘県、そして西安を友好訪問しました。北京で中日友好協会を表敬訪問し、懐かしい皆さんと再会、60周年への祝意をいただき親しく懇談しました。河北省では省政府要人、省人民対外友好協会から60周年記念招待会に招かれるなど心のこもった歓迎を受けました。邢台市でも歓迎宴や内丘県での緑化協力記念植樹など思い出に残る友好の旅となりました。
 
 北京到着2日目、4月7日は天気も快晴で青空が広がっていました。天安門広場は大勢の観光客が記念撮影していました。故宮博物院は、中国国内観光客、欧米人観光客など大勢の観光客で込み合っていました。壮大な太和殿をバックに記念撮影。迷子にならないようにと声かけながら神武門にたどり着くまで直線的に歩いても約1時間30分を要しました。

 <中日友好協会を表敬>
 午後、中日友好協会を表敬訪問しました。宋敬武副会長や袁敏道秘書長、程海波副秘書長と1時間余り熱心に懇談しました。宋副会長は、一行の訪問を歓迎し長野県協会の60周年に祝賀の意を表し、「県協会は長期にわたって友好事業に傑出した積極的な貢献をされた。特に冬季スポーツ交流、緑化協力、希望小学校等の分野で大変多くのことをされたことを高く評価している。今後全国友好協会、中日友好協会は長野県日中友好協会とともに努力し中日友好事業を不断に発展させていきたいと願っている」とあいさつしました。 
 高波会長は温かい歓迎に感謝したのち、「県協会は創立60周年を迎えたが、長期にわたって官民一体となって民間交流を進め両国関係の発展に努めてきた。北京・張家口が2022年の冬季五輪に決まったことを喜ぶとともに、長野オリンピックの経験を活かして協力していきたい」と述べました。オフィスの前で、全員で記念写真を撮りました。

 中日友好協会を辞し、北京西駅に向かいました。高速鉄道の安全検査を終えて待合室で改札を待ちます。広い待合室は人々でいっぱいでした。G663次高速列車15:45発で北京を出発し河北省の省都石家荘に向かいました。17:04石家荘駅に到着。約300km1時間あまりの旅でした。河北省外事弁公室亜洲処の梁国輝処長や韓隷東さんらの出迎えを受け、再会を喜び合いました。

<河北省政府・省対外友好協会主催で盛大に成立60周年紀念招待会>
 河北省政府の会見ホールで、朱浩文・省人民政府秘書長を表敬しました。会見には劉暁軍・省外事弁公室主任(省友好協会会長)はじめ衛生・教育・環境・林業・冬季スポーツ部門の責任者らが同席しました。

 朱秘書長は訪中団一行の来訪に熱烈歓迎の意を表した後、「昨年1月張慶偉省長とともに長野県を訪問し友好協会の皆さんに歓迎を受け交流できたことは忘れがたい思い出。長野県日中友好協会は1956年成立以来、積極的に友好交流活動を行い両国の友好発展に貢献された。1983年河北省と長野県の友好県省締結に尽力し、以来両省県の経済社会発展に役立つ大量の卓越した効果的な仕事をされた。河北省政府を代表して感謝と熱烈なお祝いを申し上げたい。特に青少年交流においては、高波会長が責任者として長野県青年の船派遣を通じ6000名の長野県青年が河北省を訪れ友情をはぐくんだ。河北省も研修生など400名以上の青年を長野県に派遣した。劉暁軍主任も長野県での留学体験などゆかりが深い。貴会は両省県友好提携以来30数年にわたり重要な役割を果たしてこられた。小渕基金(日中緑化基金)を通じて1200haの緑化を実現した。またスキー用具の提供やスキー場の設計指導、希望小学校4校の寄贈等、多くの協力支援に対し感謝したい」と述べ、続いて河北省の状況を紹介され、「現在、チャレンジと調整の途中にあるが、2つのチャンスがある。北京・天津・河北省連携発展計画と2022年の北京冬季オリンピックでのスキー種目の張家口開催。県民の皆さんに紹介いただき、協力・交流を願いたい」と述べました。

 高波会長は、熱烈な歓迎に感謝した後、「友好県省締結以来、歴代関係者の努力で青少年・医学・農業・文化スポーツ・緑化協力プロジェクトなど、多方面にわたる交流を進めてきた。未来を担う青年の育成事業の信州青年洋上セミナーも20年近くにわたり6000人の青年が河北省を訪れ交流を深めた。私も毎年同行し政府関係者との会談で日中友好活動を進める中で大きな励みとなった。張省長先生は、昨年1月全国に先駆け長野県を訪問され、阿部知事との間で各分野での交流を進める覚書を締結して新しい時代の交流を推進していくことを約束された。私ども友好協会も官民協力してこのために努力してまいりたい。本年長野県日中友好協会は創立60周年を迎える。日中戦争の反省の上に日中の不再戦、平和友好を願って協会は設立された。私たちは、多くの先輩の志を受け継ぎ、多くの県民とともに日中の永遠の平和友好協力のためにたゆまず努力を傾けていきたいと決意している。10月には記念祝賀式典を予定しており、河北省友好協会代表団をお招きしたい。10数年ぶりに訪れた河北省は全く新しい都市に生まれ変わり、発展ぶりに目を見張った。河北省がさらに発展されますことを心よりお祈りしたい」とあいさつしました。席上、阿部知事から託された張省長への親書を宋秘書長に手渡しました。

 会見が終わって、歓迎宴会が行われました。会場の表面には、両国旗をあしらい「長野県日中友好協会成立60周年紀念招待会」と書かれた縦横4m×8mほどの大きな真っ赤な看板が飾られていました。早速、看板の前で記念撮影。団員一同、感動を抑えきれませんでした。祝賀歓迎の宴は華やいだ雰囲気に包まれ、乾杯が何度も繰り返されました。団員一同、感謝の気持ちを込めて、「北国の春」、「ふるさと」、「大海、啊故郷(海はふるさと)」を歌いました。西堀理事長は「友好の花は咲き誇る」を披露して喝采を浴びました。

 翌4月8日は梁先生らの案内で石家庄市外国語学校を参観しました。小60、中90、高30クラスのほか幼稚園(30クラス)など210クラスを有し、11000人が在籍する有名校です。園児から英語を学び、中学生になると第二外国語として日、ロ、独、仏、スペイン語等を学ぶ仕組みになっています。また14か国、34校と友好関係を結んでいるそうです。日本語を学んでいる高校3年生の皆さんが通訳しながら校内授業の様子を案内してくれました。幼稚園では遊戯と体験、小学校では趣味を生かして、中学では全面発展、高校では理想を追及することなど、全人教育を校風としている学校です。

 続いて、河北省環境保護監督測定センターを訪問しました。玄関に責任者と大勢の職員が並んで盛大に出迎えていただきました。土壌、水、大気、放射線などの測定を行い、企業などを監督指導する大事な役割を担っている機関です。昨年度から2名の職員が研修のため長野県に派遣され、6か月間、県環境保全研究所で学んでいます。付さん、賈さんと再会しました。

 昼は、劉暁軍・省外事弁公室主任・省友好協会会長主催の祝賀歓迎宴が開かれました。席上長野県日中友好協会成立60周年を祝って、おめでたい「五牛図」の素晴らしい横軸をいただきました。心のこもったご配慮に高波会長以下全団員が感動を禁じ得ませんでした。省友好協会秘書長の呂暁梅女史や石家庄外国語学校校長の裴紅霞女史、省農林科学院の孫風国先生も出席され、歓談しました。今後も密接に協力して友好交流を進めていきましょうと語り合いました。杯を重ね楽しく交流しました。別れを惜しみながら劉先生らとお別れして、梁先生、韓さん同行で邢台市に向かいました。

<邢台市でも歓迎、内丘県で緑化協力記念植樹>
 高速道路を2時間走り、石家庄市の南隣の邢台市に到着しました。IC出口で龍興洲・市外事弁公室主任や裴雅鋒・外弁副主任が出迎えてくれました。邢台市は720万人の人口を抱える大きな市で、3500年の歴史を有しており、「充実した産業、観光、文化都市」です。元代の著名な天文学者郭守敬の生誕の地でもあります。2012年から市内の内丘県で日中緑化協力プロジェクトが実施されています。一昨年から千曲市や岡谷市との交流が始まっています。
 最初に、市の中心部にある禅宗のお寺、開元寺を参観しました。再建されてほどない感じのお寺でしたが堂々たる威容を誇っており、1300年以上の歴史を持っているそうです。住職が案内してくれました。本堂の千手観音に旅の平安を祈ってお参りしました。
  邢台市表敬と歓迎宴会がホテルで開かれました。邱文双副市長は来訪を歓迎し、緑化協力に感謝し、長野県日中友好協会成立60周年に祝賀の意を表した後、市の概況を紹介しました。更に「協会が中日友好促進のために大変多くの貢献をされた。今後とも経済貿易、科学技術、農業、教育、文化等の分野で協力を深めていきたい」と述べました。山根敏郎・緑化団長が、熱烈な歓迎に感謝し、内丘県での緑化協力プロジェクトを成功させ、長野県と邢台市の交流を盛んにしていきたいとあいさつしました。その後和やかな歓迎宴となりました。

 4月9日は、内丘県に向かいました。現地には緑化計画を示す看板が立てられており、太行山脈に連なる丘陵地帯で赤土の乾操荒地を6年計画で緑化しようというものです。本年は4期目に入っています。100株ほどのコノテガシワを龍興洲・市外事弁公室主任や盧振江・副県長さんらと共に記念植樹しました。会場を県中心地のホテルに移して盧振江・副県長が歓迎の昼食会を開いてくれました。山根団長も熱烈歓迎に感謝し、緑化プロジェクトの成功と内丘県が大きく発展して行くことを祈りますとあいさつしました。

 一行はその後西安に向かいました。悠久の歴史を有する西安は、魅力にあふれた古都ですが、大きな変貌を遂げていました。玄宗皇帝と楊貴妃ロマンの地・華清池、秦の始皇帝兵馬俑博物館、大雁塔、碑林は何度訪れても新しい感動があります。西安でも心温まる歓迎宴を開いていただきました。

 4月11日、6日間の訪中はあっという間に終わり、帰国日となりました。日中関係は依然として複雑な問題を抱えておりますが、だからこそ、中国との相互訪問の機会を増やし国民同士の相互理解と相互信頼を深める努力を強めるべきだとの思いを抱きながら、私たちは、機上の人となりました。

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