県協会60周年記念事業と友好交流再活性化を決定、県日中友好協会定期大会(5/12)

 長野県日中友好協会は5月12日、第54回2016年度定期大会を松本市内のホテルブエナビスタで開きました。県内各地から120人が出席して、県協会創立60周年に当たり、祝賀式典や記念誌の発行などの記念事業の取り組みを柱に、官民提携して日中交流の再活性化を図るなどの新年度の活動方針を決定し、あわせて、高波謙二会長をはじめとした役員を再選しました。第2部祝賀パーティーには中国大使館から汪婉参事官(大使夫人)も出席され激励をいただきました。

 石﨑琢哉・県青年委員長の司会で大会第1部がスタート。「永久の友情を」を県日中女性委員会のリードで全員で斉唱した後、相澤孝夫・副会長の開会あいさつに続いて、半田孝淳最高顧問や森田恒雄副会長をはじめとした物故された先輩の皆様に黙祷を捧げました。
 
 高波会長は、井出正一前会長からバトンタッチされてこの一年の役員会員の支援協力に感謝した後、「 1956年に長野県協会が設立されてから本年60周年を迎える。半田孝海初代会長はじめとした先輩の皆様の並々ならぬ努力によって、協会は様々な困難を乗り越え、現在23の地区協会と2千人の会員を有する全国屈指の協会となった。満蒙開拓団を戦前日本一送り出し、半数の1万5千人が悲惨な最期を遂げた歴史の反省から、県内には日中不再戦・平和友好を願う県民的基盤が広く存在しており、その基礎の上に県協会は工夫を凝らし、県や各分野の団体と協力して友好交流実施団体を設立して交流を進めている。県日中学術交流委員会には県内の大学・短大が参加しており、県日中経済交流促進協議会には経済団体や企業が、県日中スキー交流委員会にはスキー連盟をはじめ県や7市町村が参加。また中国国際放送局と提携しての長野ラジオ孔子学堂中国語講座、県北京放送を聞く会、県人民中国読者会、さらに県女性委員会と県青年委員会の活動も注目を集めている。日中関係は現在重要な局面を迎えているが、日本と中国は「和すればともに益となり、争えばともに傷つく」関係にあることは、自明の理。深い歴史的かかわりを持ち、また最大の貿易相手国でもある中国とは、文字通り、隣国同士仲良くしていきたい」と述べ、4月派遣の県友好訪中団が河北省政府・省対外友好協会の熱烈な歓迎を受けたことを報告し、「河北省での熱烈な歓迎と、県協会の成立60周年をともに祝っていただいた情景は忘れることができない。10月には河北省から代表団をお招きして県協会創立60周年記念式典を開催するので、熱烈に歓迎しともに喜びを分かち合いたい。60周年は一人協会の喜びであるだけでなく、県民的に祝賀すべき慶事。60周年記念誌『虹の架け橋・長野県日中友好の歩み4巻』の編集は広く県民の共有財産としての県内友好運動の記録となるので皆様のご協力を切にお願いしたい 」と述べました。

 続いて、中島恵理副知事は、長年の県日中友好協会のご労苦に県として深く感謝申し上げたいと述べ、「友好協会の皆様のご尽力の積み重ねの上に長野県と河北省の友好提携も実現した。阿部知事も就任以来5回にわたり訪中し、河北省の張慶偉省長や程永華中国大使はじめ関係者との交流を通じて相互信頼関係を深め、医療、環境、冬季スポーツ、観光などの分野で交流推進を約束した。県日中友好協会の築いた基盤の上に長野県は全国のフロントランナーとしての役割を今後も果たしていきたい。2020年の冬季五輪(スキーは張家口市)の全面支援のため豊富な人材を有する長野県として協力していきたい。創立60周年を迎える県協会の一層の活躍を期待しています」とあたたかい激励をいただきました。

 議長に内川雅夫(大北)・池上喜美子(上田)の両氏、大会運営委員長に西田節夫・副理事長、役員選考委員長に中沢道保・副会長、大会書記に長澤保・山崎始の両氏、議事録署名人に蟻川寛・宮沢信代の両氏を選出して議事に入りました。

2015年度の活動報告(布施正幸事務局長)、決算報告(市川淳子会計理事代理)、会計監査報告(田近勝之監事)を承認した後、2016年度の活動方針(西堀正司理事長)、予算(桜井佐七財政委員長代理)を採択しました。また、役員改選では中沢役員選考委員長の選考委員会報告を了承し高波謙二会長らを選出しました。

本年度の活動方針では、県協会創立60周年記念事業を柱として、河北省友好協会代表団を招請して創立60周年記念式典の開催、『虹の架け橋-長野県日中友好の歩みⅣ』の発刊、記念県協会訪中団の派遣、緑化協力プロジェクトの推進、「残留孤児と中国養父母展」の県内巡回展、「周恩来総理記念回顧展」開催、」中国留学生ホームステイ受入れなどにとりくみ、これらの活動を通じて、友好交流の再活性化、日中の相互信頼回復に力を入れて行くことを決定しました。


 意見発表では藤沢淳一・県青年委員会事務局長が青年委員会からのアピールを、松原京子・県女性委員会事務局長が60周年記念県協会訪中団報告を行いました。続いて、「創立60周年を迎え、先達が長年にわたって築き上げた成果を守り、県民ぐるみの友好運動を展開し、地方と民間の交流を進め、日中関係の再構築に貢献していく。原点に返えり、日中不再戦・覇権反対・平和友好のために、あらゆる分野の心ある人々は連携して粘り強く歩んで行きましょう」との大会宣言(南雲典子・県女性委員会副委員長)と大会スローガン(清沢浩明・県青年委員会副委員長)が採択されました。

 清水可晴・副会長の閉会あいさつで第1部は終了しました。

 第2部の祝賀パーティーでは、来賓として出席された汪婉参事官(中国大使夫人)が、日ごろの県協会の友好活動を称え、創立60周年を迎えたことを祝賀するとともに、この間、長野県が協会のサポートを得て、地方交流を積極的に進めてきたことを高く評価しました。また日中関係については改善しつつあるが危うさもあるとし、安全保障分野で中国の台頭を抑える政策をとっていることなどをあげ、違いを拡大していくのではなく共同利益を拡大していくべきだと語りました。昨年500万近い中国人観光客が日本を訪れたことを指摘し、相互理解増進に役立っているので、日本からも大勢中国を訪問し中国の現実を肌で感じてほしいと述べ、民間交流の促進を訴えました。

 また、山本晋司県国際課長、坪田明男・松本副市長、濱田州博・信州大学学長、務台俊介(代)・井出庸生(代)衆議院議員、若林健太(代)参議院議員、倉田竜彦前県日中議連会長、今井正子県議、王昌勝県華僑総会会長、張玉霞・二等書記官、李妮県国際交流員(河北省)、酒井康成・松本歯科大学学事課係長、松沢忠明・白馬村スポーツ課長らから激励の祝辞をいただきました。

 会場ではなごやかな交流が行われました。女性委員会メンバーが、汪大使夫人とともに「北国の春」を日本語と中国語で、披露すると、大きな拍手がおこりました。

 来賓として、滝沢英一・県国際課課長補佐、犛山典生・県経営者協会事務局長、木藤暢夫・県商工会議所常務理事、馬場進一・県商工会連合会参事、田中良江・JA長野中央会地域農政部主任調査役、小松朝韻・小林佑一郎参与らも出席され激励いただきました。


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