戦後70年、日中友好協会65周年を迎えて

日中相互信頼回復のために民間交流を粘り強く進めよう  

                                 長野県日中友好協会理事長 西堀正司

 本年は、戦後70年、日中友好協会創立65周年の節目の年です。

 世界各国でも戦後70年の記念行事を盛大に展開しています。明治元年(1868年)から現在まで147年が経過しました。前半の77年間と後半の戦後70年間です。

 前半の77年間に日本は多くの戦争を経験しました。台湾出兵、日清戦争、日露戦争、日韓併合、第1次世界大戦、満州事変、日中戦争、ノモンハン事件、日米開戦、太平洋戦争など日本は数多くの戦争を行いました。

 国民の犠牲や被害は大きなものでした。命を落とし、傷害を伴う物質的精神的な損害は甚大なものでした。

 これらの戦争や紛争はいずれも、日本仕掛けた侵略的なものでした。中国やアジア諸国の国民の被害は巨大でした。特に日中関係で言えば、2千年の友好の歴史と交流のある恩ある国に対し、また文化の元ともいえる国に対する裏切りでもありました。1931年の満州事変から日本敗戦までの戦争に限っても、日本軍による中国人の死傷者は3500万人といわれています。

 中国の周恩来総理は、この責任は、ごく一部の日本軍国主義者が負うべきもので日本人民もまた日本軍国主義の犠牲者であると言われました。

 日本国民は加害国の国民ですが、侵略戦争の主たる加害者は、一部の軍国主義者だと言うのです。なんと素晴らしい分析でしょう。敗戦後、日本国民は、総懺悔論に惑わされて戦争責任が曖昧になってしまいました。

 敗戦と同時に、過去の戦争を反省し、再び日本軍国主義の復活を許さない決意と侵略で迷惑をかけた中国との友好を目指し、両国の友好の伝統を守り、平和を求める決意を組織したのが1950年10月1日の日中友好協会の結成でした。

 当時の日本政府は、中華人民共和国を認めず、反中国の外交政策を進めていました。民間の我々協会は、それらと闘い日中両国国民の友好と平和のため国交回復を目指して運動を全国的に進めました。

 22年間の民間の長い闘いによって両国は国交を正常化させました。周恩来総理は、「この偉大な成果は両国国民のものである」と言明されました。

 正常化以来43年間、両国と国民は交流を拡大させ、再び戦争のない関係を築くために努力し大きな成果を上げ、人事、経済、文化等の交流を通じてアジアと世界の平和に貢献しました。

 しかし、「島」「靖国」「歴史」問題で対立して友好関係は悪化してしまい、両国国民感情に影響を与えました。これは私たちの望まないものです。

 昨秋と今春二度の日中首脳会談が行われ、いくらか前進がみられます。

 戦後70年の今年、民間運動の前進の年となるよう、全力を挙げて努力しようではありませんか。

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