関係好転を活かし経済交流を促進、日中経済交流促進協議会総会(6/23)

 長野県日中経済交流促進協議会は、6月24日、長野市内のホテル犀北館で第39回定期総会を開き新年度の事業方針などを決めました。

 総会で、夏目潔会長は、「日中関係は昨秋の両国首脳会談以来、好転してきている。危うさもあるがしっかりしたものにしていきたい。中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、長野県経済にとっても重要な経済パートナーとなっている。今後とも経済交流の促進を図っていきたい」とあいさつしました。

 内田雅啓・県産業政策課長は来賓祝辞の中で、長野県の景気動向に触れながら、中国は長野県にとってもっとも重要な貿易相手国であり上海に駐在員をおいていることなどを紹介し、協議会の活躍を激励しました。高波謙二・県日中友好協会会長は日ごろの協力に感謝し、1月には友好提携30周年を記念して張慶偉・河北省長が来県したことにふれ、「経済交流や地方民間交流が政治的ギクシャクがあっても両国の平和友好関係を持続発展させていく役割を果たしてきた。協議会の一層の活躍を願う」とあいさつしました。

 14年度の事業報告と決算を承認した後、河北省はじめとした中国との経済交流の促進、講演会やセミナーの開催、観光客誘致協力などの15年度の事業計画・予算を決めました。

 総会終了後、中国大使館の薛剣(せつけん)公使参事官が「中日関係の明るい未来を創るために何が求められているか」と題して講演しました。(概略下記参照)

--3年間「島」と歴史問題で厳しい状況が続いたが、ここに来て再び改善の軌道に戻り徐々に交流と協力が戻りつつある。リスクを抱えながら改善するプロセスが進んでいる。一方中日関係は構造的な問題が発生しやすい歴史的な転換期にある。新たな安定的な枠組みが出来上がるまで長い時間が必要だ。そのために双方が力を入れるべきことは、
 @両国国民が両国関係の未来に対してマイナス思考からプラス思考へと転換していくこと(マスコミの責任も大きい)。
 A国民大交流の新時代を創ること。交流を通じて相手の国に対する理解を深め相互信頼を醸成していく。現在、人的往来は500万人だが今後1000万ないし2000万人になってもおかしくない。
 Bともに新たな発見をしていくこと。中国の巨大な変化、両国社会の「同質化」が急速に進んでいる。また古来から両国には共通の価値観がある。西洋文化の相対的退潮を考えれば東洋文化の復興をともに追及する価値がある。
 C利益共有を拡大すること。(AIIBの由来と目的についても詳しく説明)
 D危機管理メカニズムをしっかり構築し運用すること。安保交流と対話を通じて安保上の懸念を払拭し不測の事態を防止する必要がある。

 理路整然とした、わかりやすい講演は出席者に好評でした。最後に、記念パーティーがおこなわれ交流懇親を深めました。