戦後70年・日中友好協会創立65周年を平和友好再出発の年に
 
                             長野県日中友好協会事務局長 布施正幸

 2015年の新春を迎えました。過ぐる1年の友好活動のご貢献に敬意を表し、県協会の諸活動へのご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。

 昨年は日中国交正常化から42年、中華人民共和国建国65周年の年に当たりました。日中関係は尖閣問題と一昨年末の首相の靖国参拝により対立したまま凍りついた状態が秋まで続きました。政府レベル、政治分野にとどまらず、民間交流や地方交流、経済・文化など広い分野の交流にも深刻な打撃を与えました。秋に入り、関係者の努力により、11月北京で開かれたAPECを機に漸く日中首脳会談が実現し、再出発の基礎ができました。多くの課題が残されていますが、両国政府と国民が英知をかたむけ、真に戦略的互恵関係を築き両国が協力してアジアと世界の平和と繁栄に貢献していけるよう願ってやみません。

  世界的には中東、ウクライナ紛争など不安定な情勢が続きました。アメリカの相対的力の低下、中国をはじめとした新興国の台頭など国際的勢力バランスの変化が一層進みました。中国では習近平体制の確立が進み、法治、格差是正等を進めるとしています。

 我が国としても対米一辺倒、反中国、民族排外主義の思潮に押し流されることなく日中不再戦・平和友好・覇権反対を大切にして相互信頼を回復し安定的な日中友好協力関係を築いて行くべきでありましょう。

 県協会はこの一年、地区協会や関係諸団体の協力を得て、諸活動にとりくみ、困難な中でも日中友好の不変であることを県民にアピールしつつ歩んでまいりました。

 1月の新春座談会と新年会、2月の帰国者への理解を深めるつどいや上海市友好協会受入れ、3月のスキー交流会とHSK中国語検定試験の実施、5月の定期大会と緑化協力訪中団派遣、7月の中国留学生ホームステイ、9月の邢台市代表団・中国書画代表団・中国女子ジャンプ訓練隊の受入れ歓迎、10月の朱建栄先生を講師に講演と記念のつどいの開催と中国太陽芸術団長野公演、さらに映画「望郷の鐘」制作上映協力などに取り組みました。満蒙開拓平和記念館の入場者が10月に5万人を超えたことは、喜ばしいことでした。夏の上田・須坂・軽井沢の友好訪中団派遣もこの時期貴重なものでありました。

 本年は戦後70周年・日中友好協会創立65周年の節目の年に当たります。歴史を顧み、友好協会の創立者である内山完造先生や半田孝海先生ら先達の事績に学び、民族的責任の思想を胸に、粘り強く歩を進めてまいりたいと決意しております。日中不再戦・平和友好は大多数の国民の願いです。「日中友好は最大の安全保障」(宇都宮徳馬先生、)であり、両国は和すればともに利益を受け、争えばともに傷つくことは歴史の教訓です。友好を望む両国の有為の人々と連携し交流を再開し、相互信頼を回復していきましょう。引き続きご支援ご協力をお願い申し上げます。(15.1.1)