日中不再戦・平和友好こそ日本の国是
         ―民間地方交流を粘り強く進めよう


                            長野県日中友好協会理事長 西堀正司

本年は第一次世界大戦から百年という節目の年です。人類は20世紀前半に二度の世界大戦を経験しました。二度の大戦は、我々に戦争の悲惨さ、平和の尊さを教えてくれました。

 特に第二次大戦(日中戦争を含む)に敗北した日本は、平和を求め、戦争に反対する態度を、国民の意志として世界に表明しました。侵略戦争を起こした総括として、家庭から社会から「平和を守れ」「戦争反対」を掲げ、教育、文化、経済等の活動で実践してきました。戦前の変則的で、余りにも古い法律や習慣に対し変革を求め改めてきました。

 日中関係は、「2千年の友好の歴史」「近代、現代の戦争の歴史」という複雑で多彩な内容を持っています。戦後の日本の民間運動の中で日中友好活動は特筆されるでしょう。敗戦後1950年、新中国建国の翌年、民間団体として日中友好協会が結成されました。本年で64年になります。結成後22年の闘いで日本政府に日中国交回復を要求し、国交正常化を実現させました。

 当時中国の周恩来総理は、田中角栄総理に対し「新しい歴史の1ページが開かれました。この成果は両国人民のものです」と話されました。

 日中国交正常化から42年が経過し、経済・文化・人事交流によって両国と国民に多くの幸せをもたらし、アジアと世界の平和に貢献しました。

 しかし現在の日中関係は、厳しい困難に直面しており、特に国民間の感情は劣化しております。戦争が起こるかもしれないと言及する者もいます。島問題と歴史問題で両国首脳交流は中断の有様です。

 我々国民はこの困難を強い気持ちと精神力で「平和」を求め「日中不再戦」のスローガンを高く掲げて政府に働きかけねばなりません。日中両国は一衣帯水の隣国です。善隣友好外交は両国の指導者のスタンスでなければなりません。相手の話に耳を傾け、理解と尊敬の念を持ち協力と協調の行動を起こそうではありませんか。

 日中友好なくして日本の安全保障は成り立ちません。協会の民間としての役割はとても大きいのです。当面、民間と地方の人事・経済交流に力を入れ、政府首脳の靖国参拝の中止、政府首脳交流の再開を求めていきたいと思います。  (「日本と中国」長野県版2014.8.1)