民間交流を粘り強く、第52回2014年度県協会定期大会(5/21)

 長野県日中友好協会は5月21日、第52回2014年度定期大会を長野市内のホテル国際21で開きました。県内各地から140人が出席して、尖閣諸島問題で悪化した日中関係の改善を目指して、民間交流・地方交流を地道に続けて行くことを柱に新年度の活動方針を決定し、新役員を選出しました。

 西村源・県青年委員長の司会で大会がスタート。「永久の友情を」を県日中女性委員会のリードで全員で斉唱した後、山根敏郎副会長の開会あいさつに続いて、物故された先輩の皆様に黙祷を捧げました。
 
 井出正一会長は、「日中関係は国交正常化以来最悪の状況かもしれないが、それ以前の先輩たちの苦労を考えれば、へこたれてはいられない。関係改善の方向に両国政府が動いてくれるよう民間の立場から声を大にし、平素の活動を地道に続けていきたい」とあいさつしました。

 続いて、阿部守一・県知事は、昨年秋、河北省を訪問し、張慶偉・河北省省長と環境・医療・スポーツなどの分野で前向きな協力を深めていくことを確認できたことを紹介し、「中国との関係発展は長野県の発展に不可欠。アジアと世界の平和にとって日中両国が手を携えて行くことは極めて重要だ。顔の見える関係づくりに全力で取り組んでいきたい」と述べました。

 議長に大塚善弘(大北)・南雲典子(上田)の両氏、大会運営委員長に北條一義・副理事長、役員選考委員長に中沢道保・副理事長、大会書記に長澤保・山崎始の両氏、議事録署名人に金子繁三・松原京子の両氏を選出して議事に入りました。

2013年度の活動報告(布施正幸事務局長)、決算報告(市川淳子会計理事)、会計監査報告(樽井悦郎監事)を承認した後、2014年度の活動方針(西堀正司理事長)、予算(桜井佐七財政委員長)を採択しました。また、役員改選では中沢役員選考委員長の選考委員会報告を了承し井出正一会長以下を選出しました。

本年度の活動方針では、中華人民共和国建国65周年記念事業、河北省との友好提携30周年の記念事業(後半)として、6月に緑化協力県協会訪中団派遣、7月に中国留学生ホームステイ受入れ、8月に河北省から卓球選手団を招いての日中友好中学生卓球交流大会開催、10月に中国雑技団公演、中国建国65周年記念シンポジウムと記念のつどい開催、11月の友好訪中団派遣などにとりくみ、これらの活動を通じて、粘り強く日中の相互信頼回復に力を入れて行くことを決定しました。

意見発表では満蒙開拓平和記念館報告(寺沢秀文・記念館専務理事)と県女性委員会の友好活動報告(島津美智子・県女性委員長)が行われました。続いて、「今こそ原点に返えり、日中不再戦・覇権反対・平和友好のために、あらゆる分野の心ある人々は連携してこの危機を乗り越えて行きましょう」との大会宣言(吉谷美和・県女性委員会副委員長)と大会スローガン(石崎琢哉・県青年委員会副委員長)が採択されました。

 河原進副会長の閉会あいさつで第1部は終了しました。

 第2部の祝賀パーティーには来賓として、中国大使館の王暁渡・公使、王麟・三等書記官はじめ藤森靖夫・県県民文化部長、白鳥博昭・県国際課長、篠原孝・務台俊介・井出庸生代議士(代)、吉田博美・北沢俊美・若林健太参議院議員(代)、荒井武志県議会議員、市川専一郎・長野市企画政策部長、窪田徳右衛門・白馬村副村長、王昌勝・県華僑総会会長、岡村重信・県経営者協会事務局長、木藤暢夫・県商工会議所連合会常務理事、児玉和哉・県商工会連合会チーフリーダー、倉石文人・県信用保証協会専務理事、成沢勝人・県スキー連盟専務理事、中村賢二・信濃毎日新聞総務部長、酒井康成・松本歯科大学留学生課補佐、桜井啓司・県武術太極拳連盟会長らが、出席され激励いただきました。

 王暁渡公使は、あいさつで昨年末の安倍晋三首相の靖国参拝に触れ、「両国の関係改善に深い障害を残した」とした一方、県日中友好協会の民間交流を評価。「問題を適切に処理し、友好を発展させるために積極的な役割を発揮して欲しい」と述べました。