<ジャッキー・チェンさん>「日中対立は有害無益」 

 中国のアクション俳優で、国政助言機関・中国人民政治協商会議(政協)の委員を務めるジャッキー・チェン=中国名・成龍=さん(59)が12日、滞在先の北京で毎日新聞のインタビューに応じた。冷え込んだ日中関係について、ジャッキーさんは「両国は隣国であり、友好的なつきあいをすべきだ。対立を深めることは双方にとって非常に労が多く有害無益だ」と憂慮する一方で「両国間の文化交流は一貫して頻繁に続けられており、こうした努力が両国の繁栄につながるはずだ」と強調した。

 ジャッキーさんは両国の文化交流の展望について「双方の文化にはそれぞれ優れた面がある。映画作品などを通じて互いの理解を深めてこそ、平和的な環境をより確実なものにすることができる」と述べた。

 政協は中国共産党と関連組織との協力を目指す組織で、芸能やスポーツ、科学、経済界など幅広い分野で、中国が直面する課題について討議・提言している。ジャッキーさんは昨年、米プロバスケットボールのNBAで活躍した姚明(ヤオ・ミン)さんやノーベル文学賞受賞者の莫言(ばくげん)さんらとともに政協委員(任期5年)に選ばれた。

(毎日新聞【北京・工藤哲】14.3.13)