浅田真央が最後に見せた本来の姿、数えきれぬ人の涙誘う「勝負とは関係ない感動があった」=中国報道

 現地時間20日に行われたソチ五輪フィギュアスケート女子フリーで、今シーズンでの引退を表明している浅田真央選手は会心の演技をみせてショートプログラムの不調から脱出、6位に入った。中国メディア・中国網は21日、自身にとって五輪最後の舞台でしなやかに舞ったとするとともに「この夜、どれだけの人が彼女とともに涙を流したことか」と報じた。

 記事は、世界選手権チャンピオンでギネス記録保持者である一方で、浅田選手のフィギュア人生は波乱に満ちたものだったとした。そして、2006年のトリノ五輪では年齢がわずかに足りず出場できなかったこと、10年のバンクーバー五輪ではキム・ヨナ選手の後塵を拝したこと、そして11年12月に最愛の母を亡くしたことを紹介した。

 夢に向かって進む道は茨の道であったが、それでも浅田選手は自身の象徴ともいえるトリプルアクセルを捨てることなく、当初の夢を持ち続けたままソチの最後の舞台にやってきたとした。

 そして、20日のフリーの演技は「選手生涯の集大成たる完璧な作品だった」と評価。試合後には浅田選手本人のみならず、日本のファン、さらには中国の解説者までもが涙を流し、全世界の浅田選手ファンが泣いたと伝えた。

 記事はまた、スピードスケート・ショートトラックの元五輪王者・楊揚氏が「飾り気のない、わざとらしさのない動作は、見る者に愛くるしく思わせ、彼女のために喜びたいと思わせる。金メダルは重要だが、ファンたちは彼女の美しい滑りを見たかったと思っていたに違いない。見終わった瞬間『素晴らしかった、美しかった。それ以外はどうでもいい』と思った」と賛辞を送ったことを紹介した。

 記事は最後に「勝負とは関係のない感動があった。さようなら浅田選手、今後の人生をエンジョイしてください」と締めくくった。(編集担当:今関忠馬)

サーチナ 2月21日