初春を迎えて
「顔の見える交流」重ね、次代を見据えた新たな交流を
    
    
                    長野県知事 阿部 守一

明けましておめでとうございます。皆様には、健やかに初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

本県が河北省と友好提携して三十年の節目の年であった昨年、本県と中国との関わりにおいて、四月には、関係の皆様方の長年のご努力が形となり、満蒙開拓に特化した全国唯一の記念館である「満蒙開拓平和記念館」が阿智村に完成しました。平和の尊さを訴えていく重要さを改めて感じているところです。

また、十月には、長野県日中友好協会の格段のご支援ご協力のもと、相澤孝夫副会長、西堀正司理事長、西田節夫副理事長とともに、知事就任後初めて河北省を訪問し、石家荘市において張慶偉省長と公式に会見することができました。省長と私は同世代ということもあり、忌憚なく意見を交わすことができ、環境、医療・介護、スポーツといった新たな分野で、具体的な交流を進めていくことで意見が一致したところです。北京市と河北省張家口市が2022年の冬季オリンピック開催地に立候補したところですので、冬季オリンピックを開催した本県としても、積極的に支援し交流を深めたいと考えております。

これまでの交流の基礎に立って、両県省の交流が未来志向で発展するよう、そしてその結果、両県省双方にメリットがもたらされるような具体的な成果が得られるよう一層に努めてまいる所存です。

日中間には様々な課題もありますが、人と人とのつながりを大切に「顔の見える交流」を重ね、日中両国の友好関係が良好な状態で末永く続くとともに、次代を見据えた新たな交流が一層広がりますよう、引き続き皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

半世紀を超える長きに亘り日中の架け橋として実績を重ねられ、全国の活動をリードしてこられた長野県日中友好協会の皆様に敬意を表しますとともに、新しい年が希望に満ちあふれ、実り多い良き年となりますよう心からお祈り申し上げます。
(「日本と中国」長野県版新年号14.1.1)