2013年、平和友好条約35周年を決意新たに、日中不再戦・相互信頼回復・平和友好推進の年に
 
                              長野県日中友好協会事務局長 布施正幸

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は日中国交正常化40周年に当たりました。この節目の年、日中関係は大変な困難に遭遇しました。尖閣問題は政治分野にとどまらず、経済・文化など広い分野の交流にも深刻な打撃を与えました。この危機的状況をいかに克服して行くべきか、両国指導者と国民の叡知が試される試練のときが続いています。

 世界的に見ても指導者の交替や選挙などが相次ぎ、不安定な情勢が続きました。アメリカの衰退、ヨーロッパの財政危機、新興国の台頭など国際情勢の激変が進みました。中国では第18回党大会が行われ、新体制に移行しつつあります。日本でも政権交代がありました。我が国としても、日米中のバランスのとれた相互関係を目指し、対米一辺倒、反中国の思潮に押し流されることなく、冷静に戦略的互恵関係を確認し、安定的な日中友好協力関係を築いて行くべきとの思いを強くした一年でした。

県協会はこの一年、地区協会や関係諸団体の協力のもと、6月の緑化訪中団派遣、7月の中国杭州雑技団公演、8月の日中友好都市中学生卓球交歓大会、10月の日中国交正常化40周年記念講演と祝賀のつどいにとりくみ、困難な中でも日中友好の不変であることを県民にアピールしました。また11月には関係者の努力によって軽井沢日中友好協会が設立されました。満蒙開拓平和記念館も県や地域自治体の支援も得て起工式が行われ今春オープンに向けて進んでいます。また石家荘市との友好都市30周年記念訪中団派遣協力、中国留学生ホームステイや日中友好スキー・キャンプの実施、中国語講座・スクーリング・スピーチコンテストの実施、帰国者への理解を深める県民のつどい開催、日中関係を考える連続市民講座開催などに取り組みました。各位の日中不再戦・平和友好の変わらぬ決意と不断の努力に改めて心から敬意を表します。
 
 本年は日中平和友好条約35周年、長野県と河北省友好提携30周年を迎えます。一衣帯水の隣国である日本と中国は2千年にわたる友好往来の歴史があり、また近代に入って不幸な戦争も体験しています。両国が争えば共に傷つき、和して協力すれば両国国民が幸せになるという道理を再確認したいものです。私たちはアジアにあって、民族的責任の思想を大切にして、歴史を踏まえ未来を展望して行かねばなりません。困難にめげず、覇権反対、日中不再戦・平和友好を胸に刻み、友好を望む両国の有為の人々と広く連携し、ねばりづよく友好交流を回復・推進し、相互信頼を回復していきたいと決意しております。引き続きご支援ご協力をお願い申し上げます。(2013.1.1)