日中友好協会創立60周年祝賀−アジアと世界の平和と繁栄のために、新たな60年へ
                       
長野県日中友好協会理事長  西堀正司

 本年は日中友好協会創立60周年にあたり祝賀行事が開催されます。昨年は新中国誕生60周年記念行事が盛大に開催されました。この二つの60年には深い関係があります。

 中華人民共和国は1949101日誕生しました。封建的で外国の半植民地であった中国が正に独立自主の人民の国として生まれ変わりました。新中国誕生は第二次大戦後の世界情勢を象徴する大きな事がらでした。

 私達日中友好協会はただちに準備会を立ち上げ、中国との民間交流を開始する行動をはじめました。そして一年後の1950101日遂に日中友好協会が創立されました。

協会の活動を振り返ってみましょう。各界各層の人々の参加を呼びかけ、近代現代史における日本の侵略戦争の反省と同時に両国国民間の友好関係の樹立を宣言しました。又、日中両国の安全と平和、不再戦、両国経済の平和的発展と繁栄と幸福の追求、更にアジアの平和と世界平和への貢献を約し、その為に日中国交回復の実現の為の運動を積極的にうち出しました。

 協会はこの時から民間の主体性を守りながら政府に対し中国との国交回復の要求を柱に様々な実際的な活動を行ったのでした。日中貿易の促進、中国残留邦人の帰国実現、中国人殉難者の遺骨収集と送還、青年交流や民間の人事交流、諸交流の強化。その為に思想信条政党政派の違いを乗り越えて、日中友好の一点で団結する方針の下、組織作りを始めました。

 その努力の甲斐があって、729月には日中国交正常化が実現し日中新時代がついに到来したのです。78年には平和友好条約、98年日中平和宣言そして2008年「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明が発表されました。この「新」共同声明には両国の未来がはっきりと書かれております。両国と両国国民が日中の未来の為アジアの平和、世界の平和の為に戦略的互恵関係の構築の為に努力するよう訴えています。

 中国では改革開放政策が実行されこの30年余天地が逆転するような大きな変化が起きました。経済成長が続き、今では世界で重要な地位を得て大国へと歩みをすすめています。

 日中両国は今まで以上に互恵平等のうえに相互尊重信頼理解を増進する必要があり21世紀の世界に貢献する努力が求められています。新たな60年に向かって一層の努力をしたいと考えています。官民をあげての友好の時代の友好運動を初心にかえって展開していきましょう。

「日本と中国」長野県版10.8/15