窓 「小異を残して大同につく」
長野県日中友好協会理事長 西堀正司
猛暑が続き、それがやっと終わって、初秋。過ごしやすい季節となった。
しかし、日中両国政府は熱くなっている。
尖閣諸島(釣魚島)で中国漁船と海上保安庁の巡視艇が衝突。事態は悪化。閣僚級交流の中止、青少年交流の延期へ。
最近数年間経験した、両国政府の氷を溶かす努力は何だったのか。
そもそも国益の大きく絡んだ尖閣問題は、解決に時間がかかる。生前、ケ小平氏は、この問題を急いで解決するには無理があると判断して、次世代の解決に任せるべきと英断を下した。
21世紀、我々の世代はどのように対処すべきか?
領土や島の領有権や権利は、数千年間戦争の、直接、間接の原因になってきた。狭い日本もその通りだ。
しかし周恩来氏の言を借りれば、「小異を残して大同につく」の解決が最良だ。しかし尖閣は、小異ではない大異だと反論するだろう。
そこで提案。21世紀を生きる者は知恵を生かし、尖閣を「小異」に変えてしまうのだ。では、「大同」は。
平和の海、平和共存、共同開発、共同発展、覇権反対、共同利益、世界経済への貢献、世界平和、和諧社会…。
これこそ、世界の中で発展を目指す日中両国が共に追求すべきことではないだろうか。周恩来氏、ケ小平氏の名言は我々を導くだろう。民間の意見、国民の意思を拝聴しよう。(仁) 「日本と中国」2010.10/5号に掲載(9/25記)