新たな60年へ - 会員一丸となって諸交流を
                      (社)日中友好協会副会長  井出正一(長野県日中友好協会会長)

 加藤紘一会長が数日前より体調を崩されて、残念でありますが参加できなくなってしまいました。私が代役を勤めますことお許しください。加藤会長から、ご参会の皆様にお詫びと、ご厚情に対するお礼を申し上げるようにと言いつかってまいりました。(略)

 さて、協会が創立されて今年は60年になります。この晴れ晴れしい祝賀の一時を日本全国各地から1200人余の会員が集い、さらに中国の友人の方々とともに、ここ秋天の北京人民大会堂で、今日から五中全会という党の重要会議が始まった中にも拘らず、予定通り迎えることが出来ましたことを嬉しく、ありがたく思います。先刻は宋健会長から心温まるご祝辞とご激励の言葉を頂戴しまして、一同感激しております。

 10年前の50周年の際にも、ここ人民大会堂で盛大な祝賀の会を催していただきました。その折は平山郁夫前会長もご健在であり、胡錦濤当時の国家副主席が臨席くださったことが思い出されます。

 60年を振り返りますと、日中関係にはさまざまなことがありました。紆余曲折も経ました。しかしその中で、協会は創立以来、過去の戦争の反省のうえに日中国交の正常化と進展を求めて、民間交流活動を地道に進めて参りました。これは、日本と中国の友好関係こそが、アジアそして世界の平和と繁栄につながるとの信念で活動に心血を注いでこられた、両国の先達各位のご尽力の賜物です。一つ一つの石を積み上げてこられた諸先輩の皆様に対し、改めて謹んで敬意を表したいと思います。

 日中関係は戦略的互恵関係の構築を、より確かなものにしなくてはならない新しい時代へと変わっていこうとしております。「還暦」を迎えた協会は初心にかえり、新たな60年をここから始めるという決意をもって、両国の相互理解と国民感情の改善を図る諸交流を、会員一丸となって続けて参ります。これこそが日中両国の友好関係を深める最大の要だと考えます。

(2010.10.15北京人民大会堂における日中友好協会創立60周年記念祝賀会でのあいさつ)