<年頭ごあいさつ> 

 祝日中友好協会創立60周年、相互信頼、友好協力の年に

 
                長野県日中友好協会会長 井出正一

 新年おめでとうございます。昨年のわが協会の諸々の事業にご協力下さった関係各位に改めて感謝を申し上げます。昨年中国は建国60周年を迎えました。私は秋天の北京で国慶節に参加する貴重な機会を得ました。厳しい世界情勢の中で、「貧しさに耐える社会主義」から「豊かさを求める社会主義=改革開放」に転じて30年、いまや世界経済不況からの脱出の牽引的役が期待されるようになった中国の歩みを改めて想起しながら、その発展躍進を物語る諸々のパレード、マスゲームの規模と華やかさに度肝を抜かれました。その一方で様々な解決しなければならない課題を意識して、温家宝首相が前夜人民大会堂で催された祝宴で、「次の節目は建国100周年だ」と指摘しつつ「我々の前にある道はまだ長く平坦でもない」と語っておられたのが心に残りました。

 わが国では戦後初めてともいうべき政権交代が実現しました。緊張と責任の伴う政治がよりよい方向への変化変革であって欲しいものです。幸い両国の関係は「戦略的互恵関係の推進」のもと、政府レベル・国民レベルでの友好協力再構築の流れは鮮明になってきております。日本の対外経済の比重からいっても、もはやアメリカ一極中心主義の世界ではなくなりました。新政権の打ち出した東アジア共同体構想によって日米関係がギクシャクしているようにみえますが、時代は大きく変化しています。「アジアの時代」にふさわしい日米関係の再構築が必要なのではないでしょうか。

 今年はまた日中友好協会創立60週年を迎えます。50周年の際と同様人民大会堂での大集会の開催もきまりました。日中友好のために井戸を掘った先輩方の熱い思いを引き継ぎつつ、アジアと世界の平和と繁栄に大きな影響と責任を担うに至った日中関係の更なる友好増進のために、今年も民間の立場からの役割を果たして参りましょう。