協会創立60周年  相互信頼を深め、世代友好と共同繁栄へ歩を進めよう!
                  
長野県日中友好協会事務局長 布施正幸    

 新年明けましておめでとうございます。 咋年は中華人民共和国建国六十周年にあたりました。県日中友好協会では、この1年、相互理解と友好協力の発展を願い新中国建国60周年記念講演と祝賀のつどい、県日中友好訪中団派遣、河北省との友好提携25周年記念行事への協力、中国留学生ホームステイなど諸事業を各位のご協力をいただき成功裡に実施することができました。これらの取り組みを通じて、日中友好が不変であることを県民や全国にアピールしました。組織・財政問題など課題はたくさんありますが貴重な歩みを刻んだ年でありました。

 国際的な経済危機の中で、日中経済関係は一層その重みを増しています。両国首脳の活発な相互訪問と「戦略的互恵関係の推進」の確認によって友好協力再構築の流れが鮮明になっています。最近発表された内閣の世論調査によれば、中国に親しみを感ずる人は38.5%となり、7%近い改善を見ています。両国首脳の活発な交流と「戦略的互恵関係の推進」の確認によって政府レベル・国民レベルでの友好協力再構築の流れを受けたものと喜ばしく思います。  

 しかしながら、両国の国民感情はいまだ多くの課題を抱えています。このことについて、朱建栄氏は 「日中関係はこの20年来大きく変わり、今は更に大きな変化に向かう過渡期にあります。この過渡期は精神的な調整期間。この時期を越えれば、日本と中国は対等な運命共同体として生きて行くことができる」と述べています。ここで言う精神的な調整とは、中国の急速な発展により相互の位置が接近していることによる精神的戸惑いを乗り越え、それを平静に受け入れることができるようになることをさしています。歴史的、地理的に近い間柄にある日中両国のかかわりはそれほど深いものであり、心あるすべての人々が相互誤解や排外主義に陥らないように心し、叡知を傾けて相互理解と友好のために努力しなくてはならない所以だと思います。

 世界はまさに激動の時代に入っていますが、日中関係の安定はアジアと世界の平和と繁栄に非常に大きな影響を及ぼすでしょう。この間の試練を乗り越えて相互信頼と戦略的互恵関係が前進して行くことが期待されます。

 本年は、日中友好協会創立60周年の年です。私たちは、内山完造先生や半田孝海先生、宇都宮徳馬先生、平山郁夫先生ら多くの先達・先輩諸兄の歩んだ道のりを振り返りつつ、その思いを思いとし勇気と希望を持って友好の歩みを進めたいと思います。「道は人が歩いてできる」(魯迅)、「友好は交流を通じてこそ深めることができる」をモットーに民間レベルでも青少年交流や環境保全などの様々な分野で交流を進めてまいりましょう。引き続きご支援ご協力をお願い申し上げます。