慶祝 中華人民共和国建国60周年
アジアと世界の平和と繁栄のために日中の「戦略的互恵関係」を推進しよう


                        長野県日中友好協会理事長  西堀 正司

 本年10月1日は、中華人民共和国建国60周年の節目の日です。60年間の変化は、巨大で一言で言い表す事は困難です。中国の変化は、世界の中での変化であり発展といえるものです。日本との関係でも巨大な変化といえるものでした。

 世界4大文明発祥の地である中国は19世紀中葉GDP(国内総生産額)、世界一位といわれていたのです。その後帝国主義列強の干渉、侵略により半植民地になってその地位は極度に低下しました。一方日本は封建体制を打破し近代国家へと変わる過程で明治、大正、昭和と徐々に列強の仲間入りを目指し、中国、アジアへ進出していきました。それは、帝国主義的侵略の行為でもありました。満州事変から盧溝橋事件、日中全面戦争へと突き進んでいきました。

 結果は、中国共産党の指導する反帝国主義・反植民地主義、抗日戦争の勝利となり、日本の敗戦となりました。やがて新中国の成立となったのです。

 さて新中国建国後の60年間の歩みを振り返ると、前半の30年、後半の30年と二つに分けて考えられます。

 1949年10月中華人民共和国が誕生し、社会主義の理念のもと戦争の痛手を癒し、封建的な古いものを破壊し、新たな国づくりを行ってきました。当時経験不足もあり又、米ソ超大国との関係も中国に大きな影響を与えました。60年代始まった「プロレタリア文化大革命」の混乱も10年間続きました。しかし対外関係は、1970年代に国連復帰をはじめ正常化をほぼ達成していきました。

 後半の30年は、前半の30年間を総括し、その欠点を改め、改革、開放の路線を打ち出し、経済改革、対外開放、思想解放と過去に囚われない政策に大転換しました。平均10%近い成長を続け、GDP世界No.2、外貨準備高世界No.1等、大きな成果を上げています。北京五輪、パラリンピックを成功させ実績を上げました。一方、環境、エネルギー、農業、格差、雇用、治安、民族問題など解決しなければならない難問がたくさんあります。これらを解決して行くためには指導部の力量と国民の協力が条件です。外国との協力も大切でしょう。対外関係も複雑であり引きつづき覇権を求めず謙虚な姿勢と努力が求められています。緊張緩和の国際環境をつくるという不退転の強い意志が必要だと思います。

 日中関係も国際情勢の激変の中で、その位置が大きく変化しています。わが国も日中の戦略的互恵関係の構築にむけた未来志向の大局観を全体のものとする努力が必要でしょう。

 我々民間の運動も歴史と伝統を創ってきました。そして大きな成果を上げました。

 明年、日中友好協会は創立60周年を迎えます。会員の皆さん、県民の皆さん、新中国建国60周年と、明年の協会60周年を共に祝して、一層の日中友好の前進の為に頑張りましょう。(「日本と中国」長野県内版09.8.15)