2009年の年頭にあたって

      (社)日中友好協会会長 加藤紘一

 新年を迎え、会員の皆さまのご多幸を祈り、心からの慶びのあいさつを申し述べます。
 今年は中華人民共和国建国60周年にあたり、来年には日中友好協会創立60周年を迎えます。
 昨年7月、平山郁夫先生にご推挙いただき、総会の承認を得て第五代会長に就任いたしましたが、協会会長としての仕事が増えるに従い、新中国と歩みをともにして60年になんなんとする協会の歴史といま果たすべき社会的使命に思いを致し、大きな責任を感じます。全国の会員の皆さまとともに、栄えある伝統をいっそう輝かすためにも精一杯尽力してまいる所存です。
 いまなお記憶に新しいのですが、昨年の5月、四川大地震の時におこなわれた日本の緊急援助隊の救援活動をテレビで見、新聞で知った多くの中国の人々が、海外から真っ先に被災地に駆けつけた日本の救援チームの献身的に働く姿に敬意と感謝の気持ちを表してくださった。
 今度はそのことを日本人がネットやマスコミ報道で知って、それは悲惨な出来事がもたらした活動ではあったのですが、両国の国民が、あの時心と心を通わせあいました。おそらく日中間のこの30年間で、両国国民がいちばん近づいた瞬間だったのではないでしょうか。日本で暮らす中国人は60万人を超え、私たちの身近で庶民同士の交流が始まっています。お互いに、国も個々人も、苦しいところも分かり合い、真心こめて助け合える間柄にしていきましょう。それこそ民間交流に一貫して尽力してきた日中友好協会の務めなのですから。
 青少年交流もいっそうの高まりを迎えます。新中国60周年の年に若者の相互交流を力強く進め、協会の組織を挙げて後継者の育成に努めてまいりましょう。皆さまのご尽力をお願いし、あいさつの結びとさせていただきます。