<年頭ごあいさつ> 

 祝中華人民共和国60周年、相互信頼、友好協力の年に

                長野県日中友好協会 会長 井出 正一

 新年おめでとうございます。

 日中平和友好条約30周年、長野県と河北省との友好提携25周年だった昨年は、雑誌『人民中国』12月号が、四川大震災、北京オリンピック、メラミン粉ミルク事件、17期3中全会などを列挙したあと、中国にとって「喜怒哀楽の2008年」だったと回顧していますが、日中関係においても両国首脳による頻繁な接触、青少年・文化交流の増進によって「戦略的互恵関係の構築」が推進された意味のある年でありました。

 県協会では、チベット問題で揺れる聖火リレーを“静かに温かく”迎えることに尽力し、四川大地震義援金も会員はじめ県民の皆様のご協力により700万円余に達しました。5月には知事を団長に60余名の訪中団を河北省へ派遣、その他年初計画した諸事業を成功裏に実施することができました。地区協会はじめ関係各位のご協力に改めて感謝します。

 中国残留邦人への「新支援法」が施行された一方で、20年近く運営を委されてきた「中国帰国者自立研修センターが閉鎖されました。協会としてはこれからも出来る限りの応援はしていく積もりです。そんなわけで今までセンターと同居していた事務局も立ち退かねばならなくなったところ、たまたま破格の条件で格好の場所をお借りすることができ、4月に開設された「長野ラジオ孔子学堂」の教室の利用にも供しています。とはいうものの事務所移転費用捻出のため、カンパを御願いせざるをえないことご理解下さい。

 本年は新中国建国60周年になります。60年前、今日のような中国の姿・発展を想像できたでしょうか。幾多の困難を克服してきた中国国民の英智とエネルギーに敬意と祝意を表します。とはいえ、環境、格差、人権、食の安全など解決を要する問題も山積みしています。

 世界は多極化、激動の時代に入りました。日中関係の安定はアジアと世界の平和と繁栄に大きな影響を及ぼします。より一層の相互理解のための民間交流の役割の一端を、今年も力を合わせて果たしたいものです。

(「日本と中国」長野県内版09.1/1号)