河北省との友好提携25周年記念友好の翼(5/18〜24)
四川大地震をともに悼み、青年交流・友好推進を誓う

 長野県と中国・河北省との友好提携25周年を記念して、村井仁知事を団長に井出正一県日中友好協会会長と下崎保県議会議長を副団長とする長野県日中友好の翼訪中団一行63名は5月18日から中国各地を訪れて友好と親善を深め、24日、無事帰国しました。中国では直前に四川大地震が発生し、甚大な被害に見舞われており、中国政府は19日から三日間を「全国哀悼日」と定めるなど政府要人らも多忙をきわめ、予定していた中国政府関係者との会見は中止されました。しかし河北省では緑化協力記念植樹、若手新省長との会談・青少年交流に関する「覚書」調印など、これからさらに一段と“実のある”民間外交を展開する素地を作り上げました。

 今回の訪中団には、知事部局はじめ、県会日中友好促進議員連盟、県日中友好協会、連合長野、経済界関係者らが参加しました。北京経由で河北省入りした一行は19日午前、県日中友好協会が日中緑化交流基金の助成を得て取り組んでいる同省易県(えきけん)での緑化協力プロジェクトの現場を訪れ、緑化協力記念碑の除幕式の後、劉徳明県長はじめ70名とともに100本の松の木を記念植樹。同午後には、太陽エネルギー・電池への取り組みで知られる保定英利新能有限公司を視察。この日から四川大地震での犠牲者を悼む「全国哀悼日」が始まったため、一行は同所で全中国国民とともに三分間の黙とうに参加しました。

 石家荘市では、河北会堂で同日夜、胡春華・代理省長と会談しました。胡省長は中国共青団書記として活躍してきた胡錦濤国家主席直系の若手ホープで、両者は初対面を感じさせないうちとけた雰囲気で懇談しました。胡省長は知事一行の来訪に熱烈歓迎の意を表した後、長野でのオリンピック聖火リレーの成功に謝意を表し、25年来の友好交流の成果を回顧、河北省の発展の様子を紹介しました。知事は冒頭四川大地震へのお見舞いを述べた後、青少年交流や環境保護協力などを積極的に進めて行きたいと述べ、省長に「ぜひ長野県へ」と来県を要請しました。省長は適切な時期に長野県を訪問したいと応じました。両者は大学・短大の交流などを促進する覚書に調印しました。同日夜の友好提携25周年記念歓迎夕食会では、ジュースで「献杯」。翌20日には「石家荘外国語学校」を視察。幼稚園から高校までの一貫教育の中に英語や日本語などの外国語教育を取り入れており、恵まれた環境の中で子ども達が、熱心に勉強していました。日本語を学んでいる生徒たちに案内されながら授業参観、休み時間になると握手攻めに会いました。

北京では、オリンピック開会式場「鳥の巣」をカメラに収め、地震の復興と2ヵ月後に迫ったオリンピックの成功を願ったものでした。中日友好協会の許金平副会長とお会いしたさい井出会長から四川大地震義援金の第1次分として50万円を託しました。21日には、中国国際放送局を井出会長や北沢久・県北京放送を聞く会会長(長野ラジオ孔子学堂学長)はじめ35名が訪問し、王冬梅副局長らの熱烈な歓迎を受けました。立派な施設と充実したスタッフで日夜、中国発のニュースや中国事情の紹介を発信している様子がわかりました。インターネットを活用した国際放送のあり方など最先端の状況を参観できて有意義でした。
 その後泰山コースのメンバーは24日まで、孔子のふるさと曲阜を訪れ、続いて泰山に登りました。いずれも世界遺産に登録されていて、思い出に残るものでした。また北京から済南まで新幹線と瓜二つのような高速列車に乗り、時速270キロ3時間で到着したのには驚きました。上海は国際都市としてますます発展を遂げています。夜の黄浦江遊覧と雑技の鑑賞は旅の締めくくりのよき思い出となりました