年頭のごあいさつ

日中平和友好条約30周年・河北省との友好25周年を意義ある前進の年に
 
                     長野県日中友好協会会長 井出 正一


 新しい年をご健勝でお迎えになられたことをお欣び申し上げます。併せてわが協会へのご協力に感謝申し上げます。

 昨年は日中国交正常化35周年という節目の年でありました。5年余りの間「政冷」状況にあった日中関係も、一昨年10月の両国首脳による「戦略的互恵関係の構築」を謳った「共同プレス発表」以来、好循環の軌道に乗りつつあることは欣ばしい限りであります。

 長野県日中友好協会も、8月の北京における日中友好都市小学生卓球交歓大会への参加や35周年記念講演と祝賀のつどいの開催、太行山易県緑化プロジェクトの継続、11月の中国高校生訪日団の受け入れへの協力など「日中文化・スポーツ交流年」にふさわしい事業活動を展開することができました。年末に中国残留邦人の皆さんへの新たな支援策が議員立法として成立したことも、残留孤児問題に取り組んできた多くの皆様と欣びたいと思います。

 今年はまた日中平和友好条約締結30周年であり、長野県と河北省の友好提携25周年の年です。「和諧社会」の実現を目指す胡錦涛体制も後半期に入り、北京オリンピックが開催されます。

 5月に予定されている村井知事の河北省訪問に合わせて、長野県日中としても友好の翼を派遣します。多勢の皆様のご参加を期待します。

 更に昨年11月、一年余の検討を経て中国国際放送局と調印した「長野孔子学堂」開設があります。中国語の普及と中国文化の紹介に、中国が力を入れている「孔子学院」は世界50数カ国で展開され、わが国でも立命館、早稲田、愛知大学などで実施されていますが、民間友好中国語学習団体と提携して開設されるのは日本では初の試みです。長野県には「北京放送を聞く会」や「長野中国語を学ぶ会」が20余年にわたって北京放送局と交流を続けてきた経緯があり、それがこのたびの指名につながったものです。光栄であると同時に責任もまた重いものです。

 また会員数の減少と高齢化、それに伴う財政基盤の弱体化への対処など難しい問題にも取り組んでいかねばなりません。みんなで力を合わせ意義ある節目の年にしたいものです。


平和と友好・協力へ進路を、民間交流の前進に力を

                                  長野県日中友好協会理事長 西堀 正司

 過ぐる2007年世界情勢が大きく変化する中で日中関係は順調に発展してきました。県協会としても多彩な友好事業を行い大きな成果を上げ、日中友好に貢献しました。日中国交正常化35周年という節目の年でもあり文化スポーツ交流としての有意義な行事は、高く評価されました。

 「戦略的互恵関係の構築」という日中両国首脳会談によって打ち出されたこの方針はますます重要性を増し今後の日本の進路にも大きな影響を与えるでしょう。青少年交流等が企画され今後一層拡充されると思います。経済交流も発展を続けています。日中貿易が日米貿易を上回る時代を迎えました。各企業も中国やアジアを除いては発展が考えられない時代になってきました。高度に発展した日本が、発展を続ける中国やアジアとの関係を良好に進める事によって世界情勢に与える影響は大きくなります。このすばらしい時期に日本はどのような進路をとる事が必要なのでしょうか?「平和と友好の外交を展開する」「協力と発展の外交を展開する」ことが重要です。

 さて中国は昨秋17回共産党大会を開催しました。胡錦涛政権がスタートして積極的な内外政策を展開しています。8月には北京オリンピックを開催しその存在感を世界に発信し「和諧」をスローガンにバランスの取れた内政外交を行うものと思われます。福田総理とのトップ会談を行いアジアの重要国家としての戦略的合意を目ざすでしょう。

 文化交流や、心と心の交流も大いに前進発展する一年になります。民間として協会はこの予想される前進の年に大きな成果があがるよう全力を上げて組織的に又目的意識的に運動を展開していくつもりです。県下各地区協会の皆さんのご協力をお願いしてあいさつといたします。本年も頑張りましょう。



 2008年、好転した日中関係に着目し、世代友好と共同繁栄を目指そう!
                                長野県日中友好協会事務局長  布施 正幸

  昨年は日中国交正常化35周年にあたりました。日中関係が両国首脳の相互訪問によって好循環の軌道に乗りつつある中で、日中友好都市小学生卓球交歓大会や35周年記念講演と祝賀のつどいの開催、太行山易県緑化プロジェクトの継続、中国国際放送局との長野孔子学堂調印、中国高校生訪日団の受け入れ、中国留学生ホームステイ受け入れ、鉄道で行くチベットの旅訪中団派遣など諸事業を成功裏に実施することができました。

  中国では10月第17回党大会が開催され、胡錦濤政権も2期目に入りました。「和諧社会」(バランスの取れた社会)の建設を目標に、急速な経済発展の中で顕在化してきている格差の是正や累積した諸矛盾の解決に力を入れようとしております。環境汚染対策や資源問題の解決なども迫られてきております。21世紀の中国は、地球的視点からみても引き続き目が離せない存在であります。

 日中両国はともに引越しのできない隣人同士として、いかに相互信頼、相互協力、相互互恵の関係を作っていけるか、両国指導者・国民の英知が問われています。幸いなことに、靖国問題に由来する「政冷経熱」の状況には終止符が打たれました。しかし、小泉政権5年の間に両国で蔓延してしまった相互不信感は思いのほか深く、国民感情レベルでの修復には粘り強い努力が必要です。

 福田総理の訪中や胡錦濤国家主席の来日により、相互信頼と戦略的互恵関係が国レベルで前進して行くことが期待されます。2008年は、日中平和友好条約30周年にあたります。また河北省との友好提携25周年の年でもあり、北京オリンピックの年でもあります。私たちは、この好機を逃さず民間レベルでも様々な分野で交流を進め、世代友好・共同繁栄に向かって新しい機運を育んでいきたいと思います。特に青少年交流や環境保護などの分野での交流は両国の明日にとって重要でありましょう。河北省も北京オリンピックを機に発展の軌道に乗っていくことでしょう。友好25周年を迎え交流発展を期待したいものです。
 皆様の新年のご多幸とご活躍をお祈り申し上げます。