新年のご挨拶


               (社)日中友好協会会長 平山 郁夫

(社)日中友好協会会長
平山 郁夫
 新年明けましておめでとうございます。日中関係はすでに丸4年にわたり首脳訪問が実現せず、膠着した外交関係は出口を見いだせない状況です。私は昨年11月、協会代表団団長として全国政治協商会議の賈慶林主席と会談しました。賈主席は、このままでは現在の「政冷経熱」は「政冷経冷」になりかねないとの懸念を表明されましたが、私も同様の心配を持っています。

 しかし、そうした困難を乗り越えていこうとする民間交流の新しい動きも力強く胎動しています。戦後60年にあたった昨年9月、南京城壁保存修復協力の日中共同事業10周年記念行事が南京市で盛大に行われ、私も全国各地の230人の会員の皆さんと一緒に参加して、南京の地で両国の平和と友好を誓い合いました。

 さらに、私は12月に韓国のソウルを訪問しました。私のほかに、中国から劉徳有・元文化省次官と韓国から韓日文化交流会議の金容雲座長ら日中韓3カ国の代表者が集い、3国間の文化交流を通じて国民同士の相互理解を促進することを趣旨とする「日中韓文化交流フォーラム」を正式に発足させました。これは2000年におよぶ3国交流史上で初めてのことであり、この地域の平和と安定にも大きな意義のあることです。北東アジア地域に3国間文化交流のプラットフォームが誕生したことは、日中2国間の民間交流にも新しい息吹と活力をもたらすに違いありません。

 来年は日中国交正常化35周年、再来年は日中平和友好条約締結30周年と北京オリンピック開催、4年後の2010年には上海万博開催と、大きな節目の年やビッグイベントが続きます。先頃の訪中では、故・胡耀邦総書記の招待で1984年に行われた3000人の日中青年大交流を再び実現させようということも日中双方の間で話し合われました。(社)日中友好協会は将来に目を向けて、日中民間交流と両国関係の新たな前進をはかるために、各界各層の人々と協力して、具体的な準備を着実に進めていきたいと願っています。

 新年が皆さまにとり幸多い年でありますようお祈り申し上げます。